「依存症」の日本経済

「依存症」の日本経済

イゾンショウノニホンケイザイ

危機と恐慌の後には何が来るのか? 日本経済を深く蝕んでいる「依存症」の正体とは? 10年後のこの国はどうなっているのか?
6年連続ランキング1位のトップエコノミストが、危機の真の原因とその解決法を、さまざまな角度からクリアに説明する!

本書で明らかにされるのは、米国依存、預金依存、建設業依存、女性依存、学習塾依存など、日本経済に観察される「10の症候群」。
さらに「20年バブル」の崩壊から日米が共倒れする可能性、「悪い物価上昇」と賃金カット、外国人が主導権を握る日本の市場、投資から貯蓄への「マネーの逆流」、日本の未来を先取りする秋田県、減るサラリーマンのこづかい……などなど、豊富な実例をもとに、この国の現状と未来図を透視する。

「今、国民の間では、日本経済の将来を悲観する見方が増えています。本書の考察が、経済をよりよく、より強く変えていくためのヒントになれば、これ以上の喜びはありません。世界的な景気悪化に苦しんではいますが、今後、日本が『みんなで沈んでいくシナリオ』を避け、たくましい国に生まれ変われる可能性は十分にあるはずです」
というのが著者のメッセージだ。


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目次

第1章 日本の個人消費は「女性依存」 ~婦人服売上高にカギがある
第2章 お父さんのこづかい減少でわかる「交際費依存」体質 ~「消費弱者」に逃げ場はあるのか
第3章 なお残る「建設業依存」と構造調整圧力 ~中小・非製造業は生き残れるのか
第4章 食料の「海外依存」は本当に問題なのか ~40%の食糧自給率が意味するもの
第5章 緩和への熱が冷め「規制依存」に逆戻りする日本 ~このままでは国ごと沈んでしまうのか
第6章 教育はどこまで「学習塾依存」を強めるのか ~ゆとり教育が生んだ3つの弊害
第7章 景気判断や買い物で「マスコミ依存」する日本人 ~景気の波と報道の影響力の関係
第8章 投資に移行しにくい家計運用の「預金依存」 ~間接金融中心で何が悪い?
第9章 主導権を握れず「外国人依存」が続く金融市場 ~ブレークスルーを生む政策を打ち出すために
第10章 日本経済はやっぱり「米国依存」 ~否定された「デカップリング論」
第11章 ケーススタディ:少子高齢化の秋田県は「日本の未来図」

書誌情報

紙版

発売日

2009年01月09日

ISBN

9784062821025

判型

四六

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

226ページ

著者紹介

著: 上野 泰也(ウエノ ヤスナリ)

(うえの・やすなり) みずほ証券チーフマーケットエコノミスト。 1963年青森県生まれ。上智大学文学部史学科卒業。86年、会計検査院入庁。88年、富士銀行(現みずほ銀行)入行。為替ディーラーを経て、為替、資金、債券の各セクションにてマーケットエコノミストを歴任。2000年、みずほ証券設立に伴い、現職に就任。 債券や為替を中心とした的確でスピーディな経済予測には定評があり、『日経公社債情報』エコノミストランキングでは2002年から6年連続第1位を獲得、『東洋経済統計月報』05年度のマーケットエコノミスト予想的中度総合第1位を獲得するなど、市場から高い評価を得ている。財務省・税制問題研究会や内閣官房・市場動向研究会のメンバーも務め、テレビ東京『ワールドビジネスサテライト土曜版』のレギュラー出演したほか、NHK BS-1『経済最前線』などのコメンテーターとしても人気が高い。 『Voice』『週刊ダイヤモンド』『週刊エコノミスト』『金融ビジネス』『週刊金融財政事情』など雑誌連載多数。著書に『チーズの値段から未来が見える』(祥伝社)、『デフレは終わらない』『虚構のインフレ』(共に東洋経済新報社)がある。