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空へのぼる
ソラヘノボル
- 作: 八束 澄子
いっそ、サイボーグだったらよかったのに。
小学五年生の乙葉は、木から落ちて骨折し、ボルトが埋めこまれた肩を、サイボーグみたいで案外気に入っている。サイボーグならば、傷ついたり、いらいらしたりしなくてすむから――。
乙葉は、線路脇の古家で、女ばかり――おばあちゃんと15歳年の離れた姉ちゃん・桐子、そしてメスねこのじゃらし――で暮らしている。
気の強い桐子は女庭師。巨木を切り倒す「空師」の軍二と付き合っている。
学校の「いのちの授業」に感動しながらも、自分の誕生にわだかまりを持つ乙葉と、予期せぬ妊娠に戸惑う桐子。
11年前、両親に棄てられたふたりは、それぞれにかかえる思いを、どう変化させていくのか。
わたしも、まわりのみんなも、だれもが自分の力をめいっぱいつかって生まれてきた――。
その事実が胸を打つ、ふたりの姉妹の物語。
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書誌情報
紙版
発売日
2012年07月10日
ISBN
9784062832243
判型
四六
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
202ページ
著者紹介
八束 澄子(やつか・すみこ) 広島県因島市生まれ。岡山県倉敷市で、ネコ二匹、犬一匹と暮らす。 児童文学作家。日本児童文学者協会会員。「季節風」「松ぼっくり」同人。 『青春航路ふぇにっくす丸』(文溪堂)で日本児童文学者協会賞、『わたしの、好きな人』(講談社)で野間児童文芸賞受賞。その他の作品に、『海でみつけたこと』『おたまじゃくしの降る町で』(講談社)、『明日につづくリズム』(ポプラ社)、『てんせいくん』(新日本出版社)など。