国家・個人・宗教 近現代日本の精神

国家・個人・宗教 近現代日本の精神

コッカコジンシュウキョウキンゲンダイニホンノセイシン

講談社現代新書

愛国心問題とスピリチュアル・ブームの共通点とは?

国家神道という特異な宗教で国民をまとめた戦前、宗教を語らない戦後の知識人。国家とは?個人とは?現代のスピリチュアルブーム、愛国心騒動につながる問題に鋭く切り込む。

私たちは南原繁の残した宿題に答えていない!
なぜ戦後日本で、「人間と神との対決」がまともに論壇のテーマにならないのか。なかなか答えるのが難しい問いだ。しかし実は非常に重要な問いである。ある意味では、近代日本の出発点にまで引き戻される問いだからだ。近代日本の精神構造やアイデンティティーに絡む根深い問題だからである。「人間と神との対決」、これが「宗教への問い」ということであれば、近代日本の出発点がすえられたときに、すでにこの問いはゆがんだ形で封印されてしまったのである。――<本文より>


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目次

序章 国家と個人、そして宗教
第1章 国家神道と自我の問題――「公」と「私」
第2章 戦前の新宗教の弾圧――正統と異端
第3章 知識人の苦悶――西田幾多郎と南原繁
第4章 戦後憲法の読み直し――市民的公共性
第5章 「個人」の擬似宗教の暴発――オウム事件
第6章 「国家」の擬似宗教の暴発――愛国心と靖国と
終章 「公共の福祉」のために――環境と共生

書誌情報

紙版

発売日

2007年12月20日

ISBN

9784062879194

判型

新書

価格

定価:792円(本体720円)

通巻番号

1919

ページ数

224ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介