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死刑と正義
シケイトセイギ
- 著: 森 炎

「ある日、家族が侵入者に殺害されたら」「社会の安全が揺らいだら」――。裁判員制度下、市民は正義の判断を下さなければならなくなった。何が死刑と無期懲役を分けるのか。その裁きを決める根拠とは。秋葉原通り魔事件、光市母子殺害事件、附属池田小児童殺傷事件などを手掛かりに、元裁判官が問いかける現代の罪と罰。(講談社現代新書)
「ある日、家族が侵入者に殺害されたら」「社会の安全が揺らいだら」――。
裁判員制度下、市民は正義の判断を下さなければならなくなった。何が死刑と無期懲役を分けるのか。その裁きを決める根拠とは。秋葉原通り魔事件、光市母子殺害事件、附属池田小児童殺傷事件などを手掛かりに、元裁判官が問いかける現代の罪と罰。
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目次
序章 裁判員は人を殺す自由を手に入れる!?
第1章 死刑空間(1)「市民生活と極限的犯罪被害」
――ある日、突然、家族が侵入者に殺害されたら
第2章 死刑空間(2)「大量殺人と社会防衛」
――秋葉原通り魔事件は死刑で終わりか
第3章 死刑空間(3)「永劫回帰する犯罪性向」
――殺人の前刑を終えてまた殺人をくりかえしたら
第4章 死刑空間(4)「閉じられた空間の重罪」
――親族間や知人間の殺人に社会はどう対処すべきか
第5章 死刑空間(5)「金銭目的と犯行計画性の秩序」
――身代金目的誘拐殺人は特別か
第6章 変形する死刑空間A「被告人の恵まれない境遇」
――釈然としない言い訳の意味はどこにあるか
第7章 変形する死刑空間B「心の問題、心の闇と死刑」
――異常心理と責任能力の混迷を断つ
第8章 変形する死刑空間C「少年という免罪符」
――人を殺して少年が更生すればそれでよいのか
第9章 変形する死刑空間D「死刑の功利主義」
――賠償金で死刑を免除するのは正しいか
終章 死刑の超越論的根拠を撃つ
書誌情報
紙版
発売日
2012年11月16日
ISBN
9784062881838
判型
新書
価格
定価:836円(本体760円)
通巻番号
2183
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社現代新書
電子版
発売日
2012年12月28日
JDCN
0628818300100011000C
著者紹介
著: 森 炎(モリ ホノオ)
森 炎(もり ほのお) 一九五九年東京都生まれ。東京大学法学部卒。東京地裁、大阪地裁などの裁判官を経て、現在、弁護士(東京弁護士会所属)。裁判官時代には、官民交流で、最高裁から民間企業に派遣され、一年間、三井住友海上火災保険株式会社に出向勤務した。著書に、『量刑相場』『なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか』(いずれも幻冬舎新書)、『裁く技術』(小学館101新書)、『裁判員のためのかみくだき刑法』(学研新書)、『あなたが裁く! 「罪と罰」から「1Q84」まで』(日本経済新聞出版社、韓国語版マングル・ビッネム社)、『シャル ウィ ジャッジ? 裁判員制度Q&A200』『私にもできる刑事裁判』(いずれもパロディ社、後者は二〇一一年舞台化)など、最新刊に『司法殺人』(講談社)がある。