「超」集中法 成功するのは2割を制する人

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「超」集中法 成功するのは2割を制する人

チョウシュウチュウホウセイコウスルノハ2ワリヲセイスルヒト

講談社現代新書

全体の動向を決めるコア(核)は、量では2割程度だから、そこに集中すればよい。これが、さまざまなことに適用できる「2:8法則」だ。しかし、コアになっている2割を見出すのが難しい。勉強やビジネスのコアはどこにあるのか? それらを見出す具体的な方法を示す。


本書で述べるのは、「さまざまなことに『コア』と呼びうるものがあるので、努力をそこに集中すべきだ」ということです。「コア」とは、「核」という意味です。コア機能、コア商品、コアメンバーなどというように使われます。 

全体の中でコアが占める比率は量的には2割程度であることが多く、他方で、「コア」によって全体の成果や価値の8割程度が生み出される場合が多いのです。このことは、「2:8法則」とか「パレートの法則」と呼ばれます。
したがって、努力をコアに集中させれば、仕事の効率は飛躍的に高まります。これを意識するかどうかで、結果に大きな違いが生じるのです。

ところで、以上のことは、昔から知られていました。実際、「2:8の法則」という言葉を知らなくとも、多くの商店は、店舗に売れ筋の商品を置こうとします。また、ダイレクトメールを出すなら、コアの顧客を中心に出します。「重要なものを重点的に扱う」というのは、いわば当然のことなのです。 
では、なぜいま2:8法則についての本が必要なのでしょうか? それは、これまで2:8法則について述べた本は、つぎの2つの問題に対して答えを提供していないからです。

(1)コアは、どうすれば見出すことができるのか?
(2)コアが変化したとき、どのように対応したらよいのか?

「コアに集中せよ」というアドバイスを実行するために、これらの問題に対する答えが必要なことは明らかです。したがって、これらに対して意味のある答えを提示しなければ、有効なノウハウにはなりません。世の中には、ノウハウになっていない「疑似ノウハウ」が多いのですが、右の問いに答えを与えずに「2:8法則に従え」というのも、その例です。 ノウハウとなるための最も重要な部分が欠落しているため、品質管理などの分野を除くと、2:8法則が実際に活用される例はそれほど多くありませんでした。 この問題に対して解を与えようというのが、本書の目的です。


  • 前巻
  • 次巻

目次

第1章 2割に集中する人が成功する
第2章 2:8法則を無視する人々
第3章 「超」整理法は自動的にコアを見出す
第4章 試験勉強でこそ2:8法則が有効
第5章 変化するビジネスのコアをつかむ
第6章 世界は偏っている
第7章 8割の逆襲?ロングテールとブラック・スワン

書誌情報

紙版

発売日

2015年09月17日

ISBN

9784062883320

判型

新書

価格

定価:814円(本体740円)

通巻番号

2332

ページ数

208ページ

シリーズ

講談社現代新書

電子版

発売日

2015年09月25日

JDCN

0628833200100011000A

著者紹介

著: 野口 悠紀雄(ノグチ ユキオ)

一九四〇年東京生まれ。六三年東京大学工学部卒業、六四年大蔵省入省、七二年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、二〇一一年年四月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。著書に『情報の経済理論』(東洋経済新報社、日経経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、サントリー学芸賞政治・経済部門)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、吉野作造賞)、『「超」整理法』(中公新書)、近著に『変わった世界 変わらない日本』(講談社)、『戦後経済史』(東洋経済新報社)など

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