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不屈の棋士
フクツノキシ
- 著: 大川 慎太郎

羽生善治は将棋ソフトより強いのか。渡辺明はなぜ叡王戦に出ないのか。最強集団・将棋連盟を揺るがせた「衝撃」の出来事、電王戦でポナンザに屈した棋士の「告白」とは? 気鋭の観戦記者が、「将棋指し」11人にロングインタビューを敢行。プロとしての覚悟と意地、将来の不安と葛藤……。現状に強い危機感を抱き、未来を真剣に模索する棋士たちの「実像」に迫った。
羽生善治は将棋ソフトより強いのか。
渡辺明はなぜ叡王戦に出ないのか。
最強集団・将棋連盟を揺るがせた「衝撃」の出来事、
電王戦でポナンザに屈した棋士の「告白」とは。
気鋭の観戦記者が、
「将棋指し」11人にロングインタビューを敢行。
ここまで棋士たちが本音を明かしたことはなかった!
由緒ある誇り高き天才集団は、はたしてこのまま、
将棋ソフトという新参者に屈してしまうのか。
劣勢に立たされ、窮地に追い込まれた彼らはいま、
何を考え、どう対処し、どんな未来を描いているのか。
プロとしての覚悟と意地、将来の不安と葛藤……。
現状に強い危機感を抱き、未来を真剣に模索する
棋士たちの「実像」に迫った、渾身の証言集。
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◆本書のおもな内容◆
序章 窮地に立たされた誇り高き天才集団
第1章 現役最強棋士の自負と憂鬱
◆羽生善治 : 何の将棋ソフトを使っているかは言いません
◆渡辺 明 : コンピュータと指すためにプロになったのではない
第2章 先駆者としての棋士の視点
◆勝又清和 : 羽生さんがいきなり負けるのは見たくない
◆西尾 明 : チェス界の現状から読み解く将棋の近未来
◆千田翔太 : 試行錯誤の末に見出した「棋力向上」の道
第3章 コンピュータに敗れた棋士の告白
◆山崎隆之 : 勝負の平等性が薄れた将棋界に感じる寂しさ
◆村山慈明 : 効率を優先させた先にあるものへの不安
第4章 人工知能との対決を恐れない棋士
◆森内俊之 : 得られるものと失うものの狭間で
◆糸谷哲郎 : ソフトの「ハチャメチャ」な序盤にどう慣れるか
第5章 将棋ソフトに背を向ける棋士
◆佐藤康光 : 将棋はそれほど簡単ではない
◆行方尚史 : 自分が描いている理想の棋士像とのズレ
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目次
序 章 窮地に立たされた誇り高き天才集団
棋士の収入/将棋のはじまりと状況の変遷/奨励会と“産児制限”/コンピュータ将棋の歴史/忍び寄る脅威/結局「どっちが強いのか」/頼ることへの違和感と不安/不屈の棋士たち
第1章 現役最強棋士の自負と憂鬱
◆羽生善治 : 何の将棋ソフトを使っているかは言いません
なぜエントリーしなかったのか/ソフトの将棋は異質/プロセスがわからないと学びようがない ほか
◆渡辺明 : コンピュータと指すためにプロになったのではない
ソフトの弱点を探るほど暇じゃない/使う人間の頭の良さが問われる/行きつく先は「でたらめな将棋」? ほか
第2章 先駆者としての棋士の視点
◆勝又清和 : 羽生さんがいきなり負けるのは見たくない
羽生は別格/プロ棋士の「無知の知」/棋士の個性と説明責任 ほか
◆西尾明 : チェス界の現状から読み解く将棋の近未来
棋士と学歴/電王戦の参謀/チェス界のいま ほか
◆千田翔太 : 試行錯誤の末に見出した「棋力向上」の道
「事実上ソフトは棋士を超えた」/人間の弱点/研究会ではわからないこと ほか
第3章 コンピュータに敗れた棋士の告白
◆山崎隆之 : 勝負の平等性が薄れた将棋界に感じる寂しさ
幹部候補生優遇という不平等/ヘッドギアをつけて試合をしている感じ ほか
◆村山慈明 : 効率を優先させた先にあるものへの不安
ソフト研究で覚えた葛藤/「それは人間の手ですか?」/羽生の頓死に興奮 ほか
第4章 人工知能との対決を恐れない棋士
◆森内俊之 : 得られるものと失うものの狭間で
ソフトの貸し出しは必要ない/ソフトと指しても楽しくない ほか
◆糸谷哲郎 : ソフトの「ハチャメチャ」な序盤にどう慣れるか
人間は中・終盤で必ず間違える/対局の時間配分が変わってきた ほか
第5章 将棋ソフトに背を向ける棋士
◆佐藤康光 : 将棋はそれほど簡単ではない
ソフトの力は借りない/衝撃の敗戦 ほか
◆行方尚史 : 自分が描いている理想の棋士像とのズレ
「ここまで勝てないものなのか」/ソフトの影に脅えながら/プロとしての矜持 ほか
書誌情報
紙版
発売日
2016年07月20日
ISBN
9784062883788
判型
新書
価格
定価:924円(本体840円)
通巻番号
2378
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社現代新書
電子版
発売日
2016年07月20日
JDCN
0628837800100011000W
著者紹介
大川慎太郎(おおかわ しんたろう) 1976年静岡県生まれ。日本大学法学部新聞学科卒業後、出版社勤務を経てフリーに。2006年より将棋界で観戦記者として活動する。著書に『将棋・名局の記録』(マイナビ出版)、共著に『一点突破 岩手高校将棋部の勝負哲学』(ポプラ社)がある。