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思い出す顔 戸板康二メモワール選
オモイダスカオトイタヤスジメモワールセン
- 著: 戸板 康二

昭和を代表する劇評家、推理作家、俳人の戸板康二はまた、歌舞伎、映画、雑誌など、幅広い世界で蒐集した「ちょっといい話」を絶妙な筆致で描く無類のユーモリストだった。数多の著書から60代に書かれた『回想の戦中戦後』『思い出す顔』の2作品23篇を抄録。師折口信夫も市井の無名の人も同じあたたかい目線で捉えたエスプリ溢れる文章は、読む者に幸福感を与えてやまない。時代と人への芳醇なメモワール。
「ちょっといい話」で綴る回想の昭和!
昭和を代表する劇評家、推理作家、俳人の戸板康二はまた、歌舞伎、映画、雑誌など、幅広い世界で蒐集した「ちょっといい話」を絶妙な筆致で描く無類のユーモリストだった。数多の著書から60代に書かれた『回想の戦中戦後』『思い出す顔』の2作品23篇を抄録。師折口信夫も市井の無名の人も同じあたたかい目線で捉えたエスプリ溢れる文章は、読む者に幸福感を与えてやまない。時代と人への芳醇なメモワール。
犬丸治
こうして戸板は、貪婪に仕入れた知友の挿話を、行きつけの四谷の「F」など酒席の場で繰り返し披露することによって、自分の「耳袋」に蓄積・熟成していった。それは決して「潤色」では無い。新珠の挿話にせよ、際どい様でいてあと味が決して不快ではないのは、それが「戸板康二」というフィルターを経た、人物批評のまろやかな掌編に仕上がっているからだ。戸板の筆にかかると、久保田万太郎も、安藤鶴夫も、筈見恒夫も、眼前に生き生きと躍動しだす。「出逢い」への至福と人間への飽くなき興味が、行間から立ち上る。――<「解説」より>
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目次
はじめに
I 回想の戦中戦後(抄)
前説・ふるさと東京
1 うまれた町
2 かよった学校
3 つとめた職場
終戦の日の前後
占領時代のアメリカ人
危機に瀕した歌舞伎
日本演劇社の人々
編集室の哀歓
芝居にかよう生活
三越六階の劇場
鎌倉の「茶の間の会」
折口先生と「例の会」
NHK日曜娯楽版
「三田文学」との縁
わが町になった京都
新庄に友を訪う
II 思い出す顔(抄)
「スヰート」と「三田文学」
二人の新聞記者
砧撮影所
酒席の紳士淑女
強烈な個性
洒脱なエスプリ
さまざまな情景
【参考資料─1】『回想の戦中戦後』おわりに
【参考資料─2】『思い出す顔』あとがき
書誌情報
紙版
発売日
2008年05月11日
ISBN
9784062900126
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
352ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2014年03月28日
JDCN
0629001200100011000J
初出
「回想の戦中戦後」(1979年6月青蛙房刊)、「思い出す顔」(1984年11月 講談社刊)の2作品から23篇を抄録。