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箱庭
ハコニワ
- 著: 三浦 朱門

戦後20年、経済的にも物質的にも豊かになった日本社会。東京山の手を舞台に、一つのの屋敷内に住む、父母、長男夫妻、次男夫妻の世代の異なる3カップルが繰り広げる悲喜劇。主人公の長男・木俣学と、弟・修の妻・百合子の情事をきっかけに、「箱庭のようにせまく、息苦しくそのくせ形だけはととのっている」家族が、ゆっくりと、静かに崩壊してゆく姿と、その荒涼とした心の風景を描く力作。幸福な「家族」の静かな崩壊を描く長篇小説。
〇富岡幸一郎 この木俣家の人々は、「1億総中流」の時代のただなかで、あたかも「幸福」な家族の共同体を演じながら、すでにそこでずっと以前から残骸になっていたのではないだろうか。そして、それはただこの小市民的なインテリ家族のみならず、戦後の日本人の「家族」というものの、あまりにも戯画的な空洞の象徴といえるのではないだろうか。――<「解説」より>
ⒸSono Ayako
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書誌情報
紙版
発売日
2010年06月12日
ISBN
9784062900898
判型
A6
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
304ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2019年09月13日
JDCN
06A0000000000059580V
初出
「箱庭」(文春文庫 1978年6月)を底本とし、多少ふりがなを加え、著者による加筆訂正をおこなった。