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藤枝静男随筆集
フジエダシズオズイヒツシュウ
- 著: 藤枝 静男

自伝的随筆から骨董論まで、創作と人生の全てを語るーー旧制八高時代からの親友、平野謙、本多秋五との交友、生涯の師となる志賀直哉を訪ねた奈良旅行、最初の作品を「近代文学」に発表する経緯など……小説家・藤枝静男の誕生から、医師であり作家であることの心構え、骨董へのこだわり、晩年の心境まで――私小説に特異な新境地を切り開いた藤枝文学のエッセンスとともに、剛毅木訥なるひとがらとその人生を知るための精選随筆集。
◎堀江敏幸 どの頁にも、彼の小説に直結する「不合理な逆遠近法」の、残酷で滑稽な悲しみがあふれている。最後の一篇「妻の遺骨」で、妻の骨と石をまちがえて掘り出す場面は、自叙伝的な記述の性質とはまたべつの意味で遠近の狂った、しかも正しい眼の紡ぎ出したものとして、あるいは「鼻紙にくるんで胸ポケットにしまった」小さな骨のようなものとして、ながく読者の心に刻まれるだろう。――<「解説」より>
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書誌情報
紙版
発売日
2011年01月08日
ISBN
9784062901116
判型
A6
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
288ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2020年07月03日
JDCN
06A0000000000097483V
初出
講談社刊、「藤枝静男著作集」第3巻(1976年11月)、第5巻(1977年3月)、「茫界偏視」(1978年11月)を底本とし、明らかな誤植と思われるものは正しましたが、原則として底本に従った。
収録作品
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作品名初出
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作品名
少年時代のこと
初出
『静岡新聞』1972年1月8日~24日
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作品名
青春愚談
初出
『東京新聞』1971年7月27日~9月1日
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作品名
書きはじめた頃
初出
『群像』1966年10月号
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作品名
わが「近代文学」
初出
『近代文学』1964年8月終刊号
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作品名
落第坊主
初出
『風報』1959年11月号
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作品名
平野断片
初出
未発表、1961年3月執筆
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作品名
平野のこと
初出
講談社版「日本現代文学全集97」月報、1965年6月
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作品名
跋文
初出
『群像』1977年6月号、平野謙「恩賜賞受賞のこと」所収
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作品名
平野謙一面
初出
『新潮』1978年6月号
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作品名
故平野謙との青春の日々
初出
『週刊朝日』1978年4月21日
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作品名
本多秋五
初出
『群像』1964年10月号
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作品名
貰ったもの失ったもの
初出
『東京新聞』1978年5月22日
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作品名
「文体・文章」
初出
『文学界』1976年7月号
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作品名
文学的近況
初出
『中央公論』1976年11月号
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作品名
日曜小説家
初出
『自由』1962年11月号
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作品名
隠居の弁
初出
『泉』6号、1974年9月
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作品名
筆一本
初出
『毎日新聞』1971年3月31日
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作品名
骨董歳時記
初出
『小さな蕾』1976年2月~4月号
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作品名
骨董夜話
初出
『太陽』1977年1月~6月号
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作品名
薬研・墨壺・匙
初出
読売新聞社刊『ザ・骨董』1976年11月
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作品名
観音院の大壺
初出
『芸術新潮』1976年2月号
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作品名
韓国の日々
初出
『海』1978年1月号
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作品名
妻の遺骨
初出
『毎日新聞』1977年3月28日