
マイページに作品情報をお届け!
森の宿
モリノヤド
- 著: 阿川 弘之

大学生時代、東京と郷里広島との往き返り、尾道を通るのはいつも眼の楽しみであった。船と海が好きだったせいもあるけれど、その頃私は志賀直哉の作品を耽読していて、汽車が尾道にかかると、「暗夜行路」に描かれている通りの風景が車窓にあらわれて来る。対岸は向島、島と本土の間が潮の流れのきつい河のような狭水路になっていて、釣舟がいる、渡しがいる……――<本文より> 愛してやまない鉄道・空・船の旅をめぐる名随筆
愛してやまない鉄道の旅。そして空の旅 海の旅。
文章の達人・阿川弘之の名随筆。旅を楽しみ、乗り物を愛す著者の電車の旅、航空機の旅、船の旅。師と仰ぐ志賀直哉、そして様々な文学者達への思い。
『鮎の宿』『桃の宿』に続く珠玉の随筆集。
阿川弘之
大学生時代、東京と郷里広島との往き返り、尾道を通るのはいつも眼の楽しみであった。船と海が好きだったせいもあるけれど、その頃私は志賀直哉の作品を耽読していて、汽車が尾道にかかると、「暗夜行路」に描かれている通りの風景が車窓にあらわれて来る。対岸は向島、島と本土の間が潮の流れのきつい河のような狭水路になっていて、釣舟がいる、渡しがいる……――<本文より>
- 前巻
- 次巻
オンライン書店で購入する
目次
鎌倉 横浜 ホノルル
蒸気機関車運転記
私の初飛行
廃墟の桜
奈良青天
躁の宗吉が描いた茂吉像
四十年目の上海港
蘆溝暁月
菊池寛と志賀直哉
森の宿
大ぼけ小ぼけ
茂吉先生三十三回忌
尾道と石巻
志賀直哉の意地悪
清春村の白樺二世
里見弴先生追悼
天成の文体と刻苦の文体
「北斗星一号」試乗記
にっぽん丸航海日誌
パナマの沖の小島の話
私の汽車旅讃歌
飯田線追想紀行
茂吉晩年の一首
故園黄葉
伊香保温泉・蘆花・直哉
志賀直哉交友録
著者から読者へ
年譜 岡田 睦
著書目録 岡田 睦
書誌情報
紙版
発売日
2011年04月09日
ISBN
9784062901192
判型
A6
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
224ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2016年01月08日
JDCN
0629011900100011000I
初出
講談社版「桃の宿」(1982年)、「大ぼけ小ぼけ」(1986年)、「断然欠席」(1989年)、「七十の手習ひ」(1995年)、「雪の進軍」(1996年)、「故園黄葉」(1999年)を底本として使用し、新かなづかいに直し、多少ふりがなを加えた。
収録作品
-
作品名初出
-
作品名
鎌倉 横浜 ホノルル
初出
『波』1979年10月号
-
作品名
蒸気機関車運転記
初出
『旅』1977年3月号
-
作品名
私の初飛行
初出
『季刊おおぞら』1976年春季号
-
作品名
廃墟の桜
初出
『清春芸術村』1990年4月号 十周年記念号
-
作品名
奈良青天
初出
『東京新聞』1991年4月27日
-
作品名
躁の宗吉が描いた茂吉像
初出
『新潮』1991年9月号
-
作品名
四十年目の上海港
初出
『海燕』1987年1月号
-
作品名
盧溝暁月
初出
『淡交』1991年7月号
-
作品名
菊池寛と志賀直哉
初出
「菊池寛全集」第2巻 解説 1993年12月刊
-
作品名
森の宿
初出
『旅』1986年7月号
-
作品名
大ぼけ小ぼけ
初出
『文学界』1986年5月号
-
作品名
茂吉先生と三十三回忌
初出
『小説新潮』1986年2月号・「茂吉三十三回忌」改題
-
作品名
尾道と石巻
初出
『群像』1982年12月号
-
作品名
志賀直哉の意地悪
初出
「志賀直哉全集」第14巻 月報 1974年8月刊
-
作品名
清春村の白樺二世
初出
『清春』1984年4月 清春白樺美術館開館1周年記念号
-
作品名
里見トン先生追悼
初出
『新潮』1983年4月号
-
作品名
天成の文体と刻苦の文体
初出
『中央公論 文芸特集』1985年春季号・「志賀直哉 瀧井孝作随感」改題
-
作品名
「北斗星一号」試乗記
初出
『旅』1988年12月号
-
作品名
にっぽん丸航海日誌
初出
『うなばら』1990年11月号
-
作品名
パナマの沖の小島の話
初出
『家庭画報』1995年9月号
-
作品名
私の汽車旅讃歌
初出
『旅』1997年11月号
-
作品名
飯田線追想紀行
初出
『旅』1996年9月号
-
作品名
茂吉晩年の一首
初出
『新潮』1998年1月号
-
作品名
故園黄葉
初出
『新潮』1999年1月号
-
作品名
伊香保温泉・蘆花・直哉
初出
『群像』1999年1月号
-
作品名
志賀直哉交友録
初出
「志賀直哉交友録」解説 1998年8月刊