大阪文学名作選

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大阪文学名作選

オオサカブンガクメイサクセン

講談社文芸文庫

笑いの底に強靱な批評精神を秘め 愛しき人の世をリアルに描く名品十一

西鶴、近松から脈々と連なる大阪文学は、ユーモアの陰に鋭い批評性を秘め、色と欲に翻弄される愛しき人の世をリアルに描く。川端康成「十六歳の日記」、折口信夫「身毒丸」、宇野浩二「子の来歴」、武田麟太郎「井原西鶴」、織田作之助「木の都」、庄野潤三「相客」、河野多惠子「みち潮」、野坂昭如「浣腸とマリア」、小野十三郎「大阪」(抄)、山崎豊子「船場狂い」、阪田寛夫「わが町」(抄)の名品十一。

富岡多惠子
現在までのところ、近松資料館、西鶴文学館のごときものが大阪市内にあるとは聞かない。まして近代文学に関しては推して知るべしというところで(中略)この手の大阪の「つれなさ」は冷淡とはちがって、どこか含羞とつながっていないだろうか。文芸、文学というのは「もっともらしい」ことを嫌うはずだ、それを「もっともらしい」エライものにしてしまっては――という気持があるのかもしれぬ。――<「解説」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2011年11月11日

ISBN

9784062901406

判型

A6

価格

定価:1,540円(本体1,400円)

ページ数

352ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

下記の刊本を底本として使用し各篇末尾に初出を掲出。

収録作品

  • 作品名

    わが町(抄)

    初出

    『放送朝日』1965年5、9月  「わが町」講談社文庫/1980年7月

  • 作品名

    浣腸とマリア

    初出

    『小説現代』1965年7月  「野坂昭如コレクション1」国書刊行会/2000年9月

  • 作品名

    みち潮

    初出

    『文学界』1964年8月  「河野多惠子全集 第二巻」新潮社/1995年9月

  • 作品名

    相客

    初出

    『群像』1957年10月  「庄野潤三全集 第三巻」講談社/1973年9月

  • 作品名

    船場狂い

    初出

    『別冊文芸春秋』1958年8月  「山崎豊子全集1」新潮社/2003年12月

  • 作品名

    木の都

    初出

    『新潮』1944年3月  「織田作之助全集5」講談社/1970年6月

  • 作品名

    大阪(抄)

    初出

    『大阪』1939年4月 赤塚書房  「小野十三郎著作集 第一巻」筑摩書房/1990年9月

  • 作品名

    井原西鶴

    初出

    『人民文庫』1937年9月  「日本三文オペラ」講談社文芸文庫/2000年7月

  • 作品名

    子の来歴

    初出

    『経済往来』1933年7月  「宇野浩二全集 第六巻」中央公論社/1997年5月

  • 作品名

    身毒丸

    初出

    『みずほ』1917年6月  「折口信夫全集27」中央公論社/1997年5月

  • 作品名

    十六歳の日記

    初出

    『文芸春秋』1925年8、9月  「伊豆の踊子・骨拾い」講談社文芸文庫/1999年3月

著者紹介

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