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意味の変容・マンダラ紀行
イミノヘンヨウマンダラキコウ
- 著: 森 敦

独創的な思索の結晶
柄谷行人 岩井克人 中上健次 浅田彰が驚愕した奇跡の書
光学機械工場、ダムの工事現場、印刷所……異色の職歴と放浪の作家、森敦の経験と思索は、日本文学史上例を見ない、奇跡的な作品を創造した。宗教的、哲学的、数学的な論述を透過しながら、本作は「比類のない私小説」として読むこともできる。柄谷行人、岩井克人、浅田彰、中上健次による解説付き。空海の足跡を辿り真言密教の謎へ迫る「マンダラ紀行」併録
柄谷行人
私が羨望をおぼえるのは、森さんの思考が極度に抽象的でありながら、どれひとつとして実際の事象や経験から遊離したものがないということだ。光学工場、ダム工事現場、印刷屋、……おおよそ「哲学」と程遠い場所と経験が、ここではその具象性と多様性をうしなうことなくとぎすまされたロジックとして結晶している。私が類比的に想いうかべるのは、レンズみがきを職業としていたスピノザのような哲学者だ。――<「解説」より>
※本書は、1991年3月刊ちくま文庫『意味の変容』、及び1993年3月筑摩書房刊『森敦全集』第2巻を底本としました。
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書誌情報
紙版
発売日
2012年01月12日
ISBN
9784062901475
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
288ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
1991年3月刊ちくま文庫「意味の変容」、及び1993年3月筑摩書房刊「森敦全集」第2巻を底本とし、旧かな遣いを新かな遣いに改め、多少ふりがなを加えた。本文中明らかな誤記、誤植と思われる箇所は正したが、原則として底本に従った。
著者紹介
著: 森 敦(モリ アツシ)