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城壁/星 小島信夫戦争小説集
ジョウヘキホシコジマノブオセンソウショウセツシュウ
- 著: 小島 信夫

イデオロギー的偏向やうすっぺらな善悪を超え、戦場の奇妙な人間模様を描くことで、不気味なユーモア、シュールな世界として、〈戦争〉を読者に刻みこむ。兵士たちに蔓延する「迷子病」が県城自体の引っ越しを誘発する「城壁」ほか、寓話的ともいえる作品のなかにも暗号兵としての体験が息づく。戦争文学のもつ既成像を粉砕し、小島信夫の世界観の核を示す九作品。
イデオロギー的偏向やうすっぺらな善悪を超え、戦場の奇妙な人間模様を描くことで、不気味なユーモア、シュールな世界として、〈戦争〉を読者に刻みこむ。
兵士たちに蔓延する「迷子病」が県城自体の引っ越しを誘発する「城壁」ほか、寓話的ともいえる作品のなかにも暗号兵としての体験が息づく。
戦争文学のもつ既成像を粉砕し、小島信夫の世界観の核を示す九作品。
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目次
燕京大学部隊〈全〉
小銃
大地
星
城砦の人
離れられぬ一隊
無限後退
城壁
小さな歴史
書誌情報
紙版
発売日
2015年07月11日
ISBN
9784062902793
判型
A6
価格
定価:1,925円(本体1,750円)
ページ数
416ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2015年08月14日
JDCN
0629027900100011000R
初出
本書は冬樹社刊『城壁/星』(1974年2月)を底本としました。
収録作品
-
作品名初出
-
作品名
燕京大学部隊〈全〉
初出
『同時代』2、4号、1952年4月、11月
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作品名
小銃
初出
『新潮』1952年12月
-
作品名
大地
初出
『文学界』1953年4月
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作品名
星
初出
『文学界』1954年4月
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作品名
城砦の人
初出
『群像』増刊号、1954年6月
-
作品名
離れられぬ一隊
初出
『文芸』1956年1月
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作品名
無限後退
初出
『新潮』1956年9月
-
作品名
城壁
初出
『美術手帖』1958年9月
-
作品名
小さな歴史
初出
『文学界』1960年7月
著者紹介
小島信夫(1915.2.28~2006.10.26) 小説家。岐阜県生まれ。1941年、東京帝大文学部英文科卒。岐阜中学、第一高等学校時代から創作を始め、東大時代には同人誌「崖」を刊行。大学卒業の年に徴兵検査を受け、翌年入隊。中国で暗号兵として過ごす。46年、復員。岐阜師範学校に勤務。48年、上京。同人誌「同時代」を刊行。佐原女子高校、小石川高校を経て、54年、明治大学に勤務。55年、「アメリカン・スクール」で芥川賞受賞。57年、米国へ留学。63年、学生結婚した妻を喪い、この経験を、65年、『抱擁家族』へと昇華。翌年、同作で谷崎潤一郎賞受賞。68年から「別れる理由」を「群像」に連載。73年、『私の作家評伝』で芸術選奨文部大臣賞受賞。82年、.『別れる理由』で野間文芸賞受賞。89年、日本芸術院会員となる。94年、文化功労者に選出される。98年、『うるわしき日々』で読売文学賞受賞。99年、郷里に小島信夫文学賞が設立される。主な著書に『小銃』『墓碑銘』『美濃』『月光』『暮坂』『各務原・名古屋・国立』『残光』など。