ひかげの宿/山桜 川崎長太郎「抹香町」小説集

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ひかげの宿/山桜 川崎長太郎「抹香町」小説集

ヒカゲノヤドヤマザクラカワサキチョウタロウマッコウチョウショウセツシュウ

講談社文芸文庫

『抹香町』によって、時代の寵児となった川崎長太郎。
しかし短篇群〈抹香町もの〉の全体像は、纏められたことがない。
初期作「夜の家にて」から、売春防止法施行、「抹香町」の消滅、その後日譚まで、
十四篇を精選した本書は、『新編 抹香町』ともいいうる。
扇情的な私娼小説を超え、孤独な男女の魂の道行、
虚飾を剥ぎ取り、危険水域に生きる者たちの生の原形質へと迫る。
長太郎文学の核心を余すところなく示した、歿後三十年記念出版。


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書誌情報

紙版

発売日

2015年10月10日

ISBN

9784062902878

判型

A6

価格

定価:1,870円(本体1,700円)

ページ数

384ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

本書収録の14作品のうち、5篇は単行本未収録のため初出誌を底本とし、残り9篇は以下の刊本を底本としました。 「夜の家にて」…『戦後短篇小説再発見12』2003年6月/講談社文芸文庫、「無縁」「金魚草」「淡雪」「褪色記」「野良犬」…『抹香町』1955年7月/講談社ミリオン・ブックス、「山桜」…『昭和文学全集14』1988年11月/小学館、「再会」…『日本短篇文学全集28』1970年6月/筑摩書房、「娼婦」…『流浪』1959年2月/文芸評論新社(単行本初出)。

収録作品

  • 作品名

    夜の家にて

    初出

    『新潮』1950年4月 「戦後短篇小説再発見12」2003年6月、講談社文芸文庫

  • 作品名

    ひかげの宿

    初出

    『文学界』1950年7月

  • 作品名

    無縁

    初出

    『新潮』1950年8月 「抹香町」1955年7月、講談社ミリオン・ブックス

  • 作品名

    浮草

    初出

    『小説公園』1952年3月

  • 作品名

    金魚草

    初出

    『別冊文芸春秋』1952年12月 「抹香町」1955年7月、講談社ミリオン・ブックス

  • 作品名

    淡雪

    初出

    『別冊文芸春秋』1953年6月 「抹香町」1955年7月、講談社ミリオン・ブックス

  • 作品名

    褪色記

    初出

    『新潮』1954年7月 「抹香町」1955年7月、講談社ミリオン・ブックス

  • 作品名

    女色転々

    初出

    『別冊文芸春秋』1954年4月

  • 作品名

    山桜

    初出

    『別冊小説新潮』1954年7月 「昭和文学全集14」1988年11月、小学館

  • 作品名

    野良犬

    初出

    『別冊文芸春秋』1954年8月 「抹香町」1955年7月、講談社ミリオン・ブックス

  • 作品名

    たそがれの色

    初出

    『別冊小説新潮』1956年7月

  • 作品名

    再会

    初出

    『小説新潮』1957年3月 「日本短篇文学全集28」1970年6月、筑摩書房

  • 作品名

    娼婦

    初出

    「流浪」1959年2月、文芸評論新社

  • 作品名

    三叉温泉

    初出

    『小説現代』1964年12月

著者紹介

著: 川崎 長太郎(カワサキ チョウタロウ)

川崎長太郎(1901.11.26~1985.11.6) 小説家。神奈川県生まれ。小田原中学を中退して、家業の魚商につく傍ら、同郷の民衆詩人福田正夫に師事、左翼的作品を発表。1920年頃より上京、帰郷を繰り返す。繰り返す。23年、萩原恭次郎、、岡本潤らと「赤と黒」創刊。震災後アナーキズム運動から離れ、25年、徳田秋声の推挽で「無題」を発表、文壇デビュー作となる。私小説家を目指すが、不遇な時代が続く。38年、永住の覚悟で帰郷、実家の物置小屋に棲み、創作に専念。54年、娼婦たちとの関わりを描いた『抹香町』で長太郎ブームが起きる。62年、結婚。私小説一筋の生涯を貫いた。著書に『裸木』『浮草』『女のいる自画像』『女のいる暦』『忍び草』『幾歳月』『淡雪』『夕映え』『老残/死に近く 川崎長太郎老境小説集』『泡/裸木 川崎長太郎花街小説集』など多数。

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