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風の系譜
カゼノケイフ
- 著: 野口 冨士男

遠い先ばかり見つめていた父は、絶望している。堅実な実際家の母は、希望をかけている。父と母の半生を中心に、複雑な一族の系譜を私小説作家が揺るぎなく描ききった長篇小説。新たに発見された、著者の手の入った原稿で野口冨士男の処女作ともいえる作品を七十余年の時を経て、初文庫化。
遠い先ばかり見つめていた父は、絶望している。
堅実な実際家の母は、希望をかけている。
父と母の半生を中心に、複雑な一族の系譜を私小説作家が揺るぎなく描ききった長篇小説。
新たに発見された、著者の手の入った原稿で野口冨士男の処女作ともいえる作品を七十余年の時を経て、初文庫化。
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目次
(その一)
(その二)
(その三)
(その四)
(その五)
(その六)
(その七)
(その八)
(その九)
(その十)
(その十一)
(その十二)
著者に代わって読者へ 平井一麥
年譜 平井一麥
著書目録 平井一麥
書誌情報
紙版
発売日
2016年03月11日
ISBN
9784062903042
判型
A6
価格
定価:1,870円(本体1,700円)
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2016年05月13日
JDCN
0629030400100011000X
初出
本書は、東西文庫『決定版 風の系譜』(1947年7月)を、野口冨士男自身が1954年6月、大幅に手を入れたものを底本といたしております。
著者紹介
野口冨士男(1911.7.4~1993.11.22) 小説家。東京生まれ。慶応大学予科中退後、1933年、文化学院卒業。紀伊國屋書店に入社。「行動」の編集に携わり、徳田秋声の「あらくれ会」にかかわる。40年、最初の著書『風の系譜』を刊行し、船山馨、田宮虎彦らと「青年芸術派」を結成、時流への抵抗を意図する。44年、横須賀海兵隊に応召。45年、ひどい栄養失調で復員。この体験がのちに『海軍日記』となる。65年、15年かけた『徳田秋声伝』刊行。翌年、毎日芸術賞受賞。以後の活躍はめざましい。84年から88年まで日本文藝家協会理事長を務める。主な著書に『わが荷風』(読売文学賞)、『かくてありけり』(読売文学賞)、『なぎの葉考』(川端康成文学賞)、『感触的昭和文壇史』(菊池寛賞)など。