猫道 単身転々小説集

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電子あり

猫道 単身転々小説集

ネコミチタンシンテンテンショウセツシュウ

講談社文芸文庫

失礼ですが御主人は? 収入は? 本籍地は? 保証人は? バブル後期の東京で“単身女性の安全な住まい”を求めて漂流する長編「居場所もなかった」に加え、後の“家族”キャト、ドーラ、ギドウ、モイラ、ルウルウをめぐる住居転々の短編。さらに不意の別れを描く「モイラの事」、その悲しみを越える単行本未収録の「この街に、妻がいる」、作者と猫の書き下ろし近況エッセイ二編も収録。


私は猫と出会ってこそ人間になった。
猫を知らぬころの悲しみと知ってからの喜怒哀楽をひとつながりに眺めて、笙野文学の確かな足跡を示す作品集。

<内容紹介>
失礼ですが御主人は? 収入は? 本籍地は? 保証人は? あなたは大家さんから好かれない、……学生専用となるワンルームを追われる独身中年女性、どこにも属せない無名作家が……イラク戦争下、バブル後期、家賃高騰中の東京において、“女性の安全なひとり住まい用ワンルーム”を求めて漂流する、絶版十五年ついに“復刊”の長編に加えその後の“家族”との出会い、キャト、ドーラ、ギドウ、モイラ、ルウルウを巡る住居転々の短編。
川端賞候補作「増殖商店街」、ふいの別れを描く「モイラの事」、その悲しみを越える、記念号掲載の未収録作品「この街に、妻がいる」さらに、書き下ろしお馴染み作者と猫の近況報告エッセイ二編収録。
猫をしらぬころの悲しみと知ってからの喜怒哀楽をひとつながりに眺める。「私だけが知っている、本屋にろくに置いてないけと大好きな」作家の恍惚、悲嘆、超克の猫出世街道。

<目次>
前書き 猫道、――それは人間への道
冬眠
居場所もなかった
増殖商店街
こんな仕事はこれで終りにする
生きているのかでででのでんでん虫よ
モイラの事
この街に、妻がいる(単行本未収録作品)
後書き 家路、――それは猫へ続く道
 解説:平田俊子/年譜・著書目録:山崎眞紀子


Ⓒ          

  • 前巻
  • 次巻

目次

前書き 猫道、──それは人間への道
冬眠
居場所もなかった
増殖商店街
こんな仕事はこれで終りにする
生きているのかでででのでんでん虫よ
モイラの事
この街に、妻がいる
後書き 家路、──それは猫へ続く道
年譜  山﨑眞紀子
著書目録  山﨑眞紀子

書誌情報

紙版

発売日

2017年03月14日

ISBN

9784062903417

判型

A6

価格

定価:2,035円(本体1,850円)

ページ数

384ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

電子版

発売日

2017年05月12日

JDCN

0629034100100011000S

初出

底本|「冬眠」…『夢の死体 笙野頼子初期作品集[II]』(1994年11月 河出書房新社刊)、「居場所もなかった」…『居場所もなかった』(1998年11月 講談社文庫刊)、「増殖商店街」「こんな仕事はこれで終りにする」「生きているのかでででのでんでん虫よ」…『増殖商店街』(1995年10月 講談社刊)、「モイラの事」…『片付けない作家と西の天狗』(2004年6月 河出書房新社刊)「あとがき」、「この街に、妻がいる」…「群像」2006年10月号。各作品について加筆、修正し、文芸文庫版「前書き」「後書き」を加えました。

収録作品

  • 作品名

    冬眠

    初出

    「夢の死体 笙野頼子初期作品集[2]」(1994年11月、河出書房新社刊)

  • 作品名

    居場所もなかった

    初出

    「居場所もなかった」(1998年11月、講談社文庫刊)

  • 作品名

    増殖商店街

    初出

    「増殖商店街」(1995年10月、講談社刊)

  • 作品名

    こんな仕事はこれで終りにする

    初出

    「増殖商店街」(1995年10月、講談社刊)

  • 作品名

    生きているのかでででのでんでん虫よ

    初出

    「増殖商店街」(1995年10月、講談社刊)

  • 作品名

    モイラの事

    初出

    「片付けない作家と西の天狗」(2004年6月、河出書房新社刊)「あとがき」

  • 作品名

    この街に、妻がいる

    初出

    『群像』2006年10月号

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