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フライ・フィッシング
フライフィッシング

読者は川岸での純潔な悦びと静思の愉しみを伝えられ、感染し、ほのぼのと心のほぐれをほどかれる……真に重要なのは人と作品にある感情の魅力であり、気品である……まったくそのとおりである。その言葉をそのまま卿の著作についても贈呈したい。――<開高健の巻頭言より>
この本は、べつにフライに興味や知識や経験のない人でも味得できるように書かれている。卿その人が序文に書いているように、釣りの技や道具の解説よりも大事なことは読者と釣りの悦びそのものを……共感しあえるように書くことである。……たちどまりしつつもどうしても最後の頁まで読みとおさずにはいられないという本も読んで頂きたい。――(開高健)
美しい草原と木立、水面に映える光、川の流れのささやき……。月日が過ぎ去っても、これらは絶えず眼に浮かんで、われわれを喜びで満たしてくれる。そして、思い出に残る環境の中へ逃げ帰りたいという熱望にわれわれを駆り立てる。そこで、釣りのための暇をつくる。釣りそのもののためでもあるが、そればかりではない。春あるいは夏の美しさを誇っているにちがいない、その選ばれた場所をふたたび訪れずにはいられないからだ。――<「第一章 はじめに」より>
※本書の原本は、1991年、ティビーエス・ブリタニカより刊行されました。
- 前巻
- 次巻
目次
心の根拠地――グレイ卿の人と作品 開高健
第一章 はじめに
第二章 ドライ・フライ・フィッシング
第三章 ドライ・フライ・フィッシング(続)
第四章 ウィンチェスター学校
第五章 ウェット・フライの鱒釣り
第六章 シー・トラウト釣り
第七章 鮭釣り
第八章 釣り具について
第九章 鱒の養魚に関する私の実験
第十章 若き日々の思い出
エドワード・グレイとの奇縁――訳者あとがきに代えて
原本付記
地図
書誌情報
紙版
発売日
2013年02月13日
ISBN
9784062921565
判型
A6
価格
定価:968円(本体880円)
通巻番号
2156
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
本書の原本は、1991年、ティビーエス・ブリタニカより刊行された。