地方の王国

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電子あり

地方の王国

チホウノオウコク

講談社学術文庫

新潟、徳島、千葉、滋賀、鹿児島、北海道……。
戦後保守政治の支柱となった各地の〈王国〉。
それらに潜り込み選挙の構造を調査した地方政治研究の先駆的名著。

高度成長の終焉がもたらした各地の構造的変容は、
「豊かさはもはや手放さなければならないのか」
という問いをめぐって揺れる現代日本まで照らし出す。

日本政治の底の底、そこに映る日本人像にまで肉薄した、
選挙分析のパイオニアによる迫真の「ルポルタージュ」!


【本書の内容】
越山会の強気と弱気──新潟三区
金権王国の深層海流──千葉
最後の社会党王国──北海道五区
保守王国の地割れ──鹿児島三区
政争王国の十年戦争──徳島
“揺れる湖国”の大政翼賛体制──滋賀
越山会“角さん音頭”の気勢──新潟三区再訪

  *

※本書の原本は、1986年に潮出版社より刊行されました。文庫化にあたっては1997年に岩波書店より刊行された同時代ライブラリー版を底本としました。


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目次

講談社学術文庫版のための序文(五十嵐暁郎)
同時代ライブラリー版へのはしがき
【1】越山会の強気と弱気──新潟三区
一九八三年十月十二日、第一審判決の日/越山会
田中ファンの気質/社会党と越山会/越山会と一新会/西山町に共産党町議誕生/元全共闘闘士の田中擁護論/第三世界と新潟三区
【2】金権王国の深層海流──千葉
一票二千円の買収の構造/地域開発の病理学/どこから千葉の金権体質は生まれたか
【3】
最後の社会党王国──北海道五区
五区の有権者層/農民の政治意識/中川一郎の政治経歴/中川は〈殺された〉/北方領土観/北海道気質/横路知事の最大の問題
【4】保守王国の地割れ──鹿児島三区
日本の低開発地帯の典型/政治家・二階堂進の経歴/山中貞則と橋口隆/“社会保障のご用聞き”/種子島と屋久島/百年前の小学校教師の観察
【5】政争王国の十年戦争──徳島
“阿波戦争”のなかみ
徳島県における後藤田体制/「社会党は解散して再結集……」/新潟三区と徳島全県区/徳島県内の三木体制/もうひとつのキーワード
【6】“揺れる湖国”の大政翼賛体制──滋賀
無競争の協調政治体制/武村知事登場の引き金/武村知事の人となり/西武グループと武村知事/司馬遼太郎の武村観/「大政翼賛」のイメージ
【7】越山会・角さん音頭・の気勢──新潟三区再訪
田中角栄の演説/「問題は次の次……」/越山会大衆/気宇広大な・雪国市・構想/若者の野坂批判/さて、新潟三区は
あとがき
参考文献
解 説(五十嵐暁郎)

書誌情報

紙版

発売日

2013年04月11日

ISBN

9784062921657

判型

A6

価格

定価:1,100円(本体1,000円)

通巻番号

2165

ページ数

304ページ

シリーズ

講談社学術文庫

電子版

発売日

2013年06月07日

JDCN

0629216500100011000D

初出

原本は、1986年に潮出版社より刊行されたもの。文庫化にあたっては1997年に岩波書店より刊行された同時代ライブラリー版を底本とした。

著者紹介

著: 高畠 通敏(タカバタケ ミチトシ)

1933~2004年。東京生まれ。日比谷高等学校、東京大学法学部卒業。東京大学法学助手、イェール大学留学を経て、立教大学教授、駿河台大学教授を歴任した。日本における計量政治学の草分け的な存在として独自の選挙分析方法を確立した。  学生時代から「思想の科学研究会」同人として『共同研究 転向』に参加し、佐野学・鍋山貞親を論じた「一国社会主義者」、大河内一男・風早八十二を論じた「生産力理論」で注目を浴びた。1960年代には鶴見俊輔らとともに「声なき声の会」を組織するなど継続して市民運動に参画し「市民のための政治学」を提唱した。 ○著書:『政治の論理と市民』(筑摩書房1971)『政治の発見』(三一書房1983/岩波同時代ライブラリー1997)『新保守の時代はつづくのか』(三一書房1987)。『政治学のフィールド・ワーク』(三一書房1989)『日本政治の構造転換』(三一書房1994)『現代における政治と人間』(岩波書店2005)『平和研究講義』(岩波書店2005)『高畠通敏集』1~5巻(岩波書店2009) ○訳書:ロバート・A・ダール『ポリアーキー』(三一書房1981)。

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