生きがい喪失の悩み

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生きがい喪失の悩み

イキガイソウシツノナヤミ

講談社学術文庫

ナチスの強制収容所での体験を記した『夜と霧』で知られる精神科医が、みずから創始した心理療法「ロゴテラピー」について語った講義・講演録。フランクルが看破した20世紀後半の深刻な病は、我々が抱える「底知れない無意味感」によって引き起こされている。それは、フロイトのいう「性的欲求不満」とも、アドラーのいう「劣等感」とも違う「実存的真空」と呼ぶべきものだという。巻末解説は明治大学教授の諸富祥彦氏。


ナチスの強制収容所での体験を記した世界的ベストセラー『夜と霧』で知られる心理学者で精神科医が、みずから創始した心理療法「ロゴテラピー」について語った講義・講演録。
どの時代にもそれなりの神経症があり、またどの時代もそれなりの精神療法を必要としている――と語るフランクルが看破した20世紀後半の深刻な病は、我々が抱える「底知れない無意味感」によって引き起こされている。それは、フロイトのいう「性的欲求不満」とも、アドラーのいう「劣等感」とも違う「実存的真空」と呼ぶべきものだという。
「生きることの意味」の模索によって、それを克服しようとする「ロゴテラピー」とはいかなるものか。「逆説的志向」「反省除去」「意味への意志」「実存的欲求不満」など、主要な概念を解説しながら、実際の症例を交えて語る。
明治大学教授の諸富祥彦氏が巻末解説を執筆。

〔原本:1982年、エンデルレ書店刊。 原著:Das Leiden am sinnlosen Leben,1977〕


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目次

訳者はしがき
序論 生きがい喪失の悩み
精神療法を再び人間的なものとするために
  フロイトとアドラーとユング 
  ロゴテラピー 
  逆説的志向 
  反省除去 
  意味への意志 
  実存的欲求不満 
  苦悩の意味 
  医療上の司牧 
  ロゴテラピーと宗教 
  力動的心理学主義の批判に寄せて 
付録 精神医学者は現代の文学に対してどのように語っているか
学術文庫版への訳者あとがき
解説(諸富祥彦)
ロゴテラピーに関する著書精選

書誌情報

紙版

発売日

2014年10月11日

ISBN

9784062922623

判型

A6

価格

定価:1,100円(本体1,000円)

通巻番号

2262

ページ数

256ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

本書の原本は、1982年にエンデルレ書店より刊行されました。

著者紹介

著: ヴィクトール.E・フランクル(ヴィクトール.E・フランクル)

Viktor Emil Frankl(1905-1997)。オーストリアの精神科医、心理学者。ナチスによる強制収容所での体験を元に著した『夜と霧』は世界的ロングセラー。他の著書に『死と愛』『それでも人生にイエスと言う』など。

訳: 中村 友太郎(ナカムラ トモタロウ)

1937年東京生まれ。東京大学教養学部卒。上智大学文学部教授を経て、現在同大名誉教授。共編著に『未来の人間学』、訳書に『思索への34階梯』『教会史提要』など。

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