道徳の時間

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電子あり

道徳の時間

ドウトクノジカン

講談社文庫

連続イタズラ事件が起きている、ビデオジャーナリストの伏見が住む町で、陶芸家が死亡。現場には、『道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?』という落書きがあり、イタズラ事件との類似から同一犯という疑いが深まる。同じ頃、伏見にかつて町で起きた殺人事件のドキュメンタリー映画のカメラの仕事が舞い込む。証言者の撮影を続けるうちに、過去と現在の事件との奇妙なリンクに絡め取られていく。第61回江戸川乱歩賞受賞作。


乱歩賞問題作、文庫化で大幅加筆、完全リニューアル!!


ビデオジャーナリストの伏見が住む鳴川市で、連続イタズラ事件が発生。現場には『生物の時間を始めます』『体育の時間を始めます』といったメッセージが置かれていた。そして、地元の名家出身の陶芸家が死亡する。そこにも、『道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?』という落書きが。イタズラ事件と陶芸家の殺人が同一犯という疑いが深まる。同じ頃、休業していた伏見のもとに仕事の依頼がある。かつて鳴川市で起きた殺人事件のドキュメンタリー映画のカメラを任せたいという。十三年前、小学校の講堂で行われた教育界の重鎮・正木の講演の最中、教え子だった青年が客席から立ち上がり、小学生を含む300人の前で正木を刺殺。同期も背景も完全に黙秘したまま裁判で無期懲役となった。青年は判決に至る過程で一言、『これは道徳の問題なのです』とだけ語っていた。証言者の撮影を続けるうちに、過去と現在の事件との奇妙なリンクに絡め取られていくが、「ジャーナリズム」と「モラル」の狭間で、伏見はそれぞれの事件の真相に迫っていく。


ⒸKatsuhiro Go

書誌情報

紙版

発売日

2017年08月08日

ISBN

9784062937344

判型

A6

価格

定価:880円(本体800円)

ページ数

448ページ

シリーズ

講談社文庫

電子版

発売日

2017年09月15日

JDCN

06A0000000000004357W

初出

本書は2015年8月、小社より単行本として刊行されたものです。

著者紹介

著: 呉 勝浩(ゴ カツヒロ)

呉勝浩(ご・かつひろ) 1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。2015年「道徳の時間」で第61回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2作目の『ロスト』が第19回大藪春彦賞の候補となる。その他の著書に『蜃気楼の犬』『白い衝動』『ライオン・ブルー』がある。

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