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107小節目から
ヒャクナナショウセツメカラ
- 著: 大島 恵真
泳いでいるとき、由羽来(ゆうら)の頭の中には音楽が流れている。泳いでいる苦しさを忘れるため。そして、本当は音楽をやりたい自分を消してしまうため――。夢に破れて暴力を振るう父と、家族への気持ちを言葉にしようとしない母。由羽来の心に交響曲「新世界より」が流れるとき、彼女の世界は変わるだろうか。水の中にいるみたいに息が苦しいと感じている人に伝えたい。きっと「新しい世界」は、すぐそばにあるんだって――。
【第58回講談社児童文学新人賞佳作入選作】
泳いでいるとき、由羽来(ゆうら)の頭の中には、音楽が流れている。それは、泳いでいる苦しさを忘れるため。そして、本当は音楽をやりたい自分を消してしまうため――。
「世界に一着しかない服を作ろう」とアトリエを開いたはずの父は、親戚に借金までして強制的に由羽来に水泳を習わせ、そして母に暴力を振るうようになった。その母は、家族への気持ちを言葉にしようとしない。そんな両親のいる家で、由羽来も家族をあきらめている。
父に命じられるままスイミングクラブで泳ぐ由羽来の心に、ドボルザークの交響曲「新世界より」が響くとき、彼女の世界は変わるのだろうか――。
最後の一行まで小六の少女に寄り添って描かれた、切なくも優しい児童文学の誕生。
水の中にいるみたいに、息が苦しいって感じているみんなに伝えたい。
きっと「新しい世界」は、すぐそばにあるんだって――。 【対象:小学上級以上】
ⒸEma Oshima
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目次
世界はいつものように
お守りに願いを入れて
だめは重い石のよう
休符とフェルマータをみつけた
107小節目から
書誌情報
紙版
発売日
2018年09月06日
ISBN
9784065126653
判型
四六
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
242ページ
電子版
発売日
2018年09月05日
JDCN
06A0000000000051125F
初出
この作品は、第58回講談社児童文学新人賞の佳作に入選した同タイトルの応募作に、加筆・修正したものです。
著者紹介
1963年、静岡県生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒。制作会社にライターとして勤務後、フリーのライター、イラストレーター、ブックデザイナーとして活動。2017年、本書『107小節目から』で第58回講談社児童文学新人賞の佳作に入選した。校閲の仕事をしながら、作品を執筆している。