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愛と人生
アイトジンセイ
- 著: 滝口 悠生

寅さん映画をベースに、同じ楽譜で別の音楽を演奏してもらったような、不思議な小説――山田洋次監督
「男はつらいよ」シリーズの子役、秀吉だった「私」は寅次郎と一緒に行方不明になった母を探す旅に出た……27年の歳月を経て、そんな昔話を伊豆の温泉宿で「美保純」と懐かしくする「私」。
映画の登場人物とそれを演じる俳優の人生が渾然一体となって語られ、それぞれの時間が複雑に流れては戻る。
「文章の緩急を使い分ける力量」と「非常に面白い戦略」─中条省平氏、「ご褒美のような幸福感のラスト」─長野まゆみ氏、「大衆的な紋切り型を文学的技法として使った懐かしい雰囲気」─沼野光義氏、など絶賛された、斬新で独創的な"寅さん小説"、表題作の「愛と人生」の他、大澤信亮氏に「あまりにも素晴らしい小説」と評された短編「かまち」とその続編「泥棒」の3作を収録。野間文芸新人賞受賞作。(解説・矢野利裕)
ⒸYusho Takiguchi
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書誌情報
紙版
発売日
2018年12月14日
ISBN
9784065126769
判型
A6
価格
定価:660円(本体600円)
ページ数
224ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2018年12月14日
JDCN
06A0000000000074616T
初出
本書は2015年1月、小社より単行本として刊行されました。
著者紹介
1982年10月18日 東京生まれ。 2005年、早稲田大学第二文学部入学(その後3年ほどで中退)。2011年、「楽器」で第43回新潮新人賞小説部門受賞。 2016年、「死んでいない者」で第154回芥川賞受賞。 著作に『寝相』『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』『茄子の輝き』(以上、新潮社)、『死んでいない者』(文藝春秋)、『高架線』(講談社)がある。