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しあわせなハリネズミ
シアワセナハリネズミ
幼年童話からYA、一般文芸まで幅広く活躍する藤野恵美氏による、大人もこどもも楽しめる、少しビターで心温まる新作絵童話。(毎日新聞の「読んであげて」での連載を改稿)
ともだちがいないけれど ひとりでもへいきなハリネズミは、考えることが大好き。うさぎがバラの花をつけて自慢しても、きみにそんなものは似合わない、といつでも思ったとおりのことを言います。背中のはりだけでなく、言葉もちくちくしているのです。そんなハリネズミがある日、「たべられないし、やくにもたたない」どろだんごをつくっているもぐらと出会います。
小沢さかえ氏による油彩カラーとペン画の挿絵も豊富に掲載。
もくじ
さんぽ/であい/しごと/はちみつ/よあけ
ハリネズミには、ともだちがいませんでした。
森もりをあるくときも、ひとりです。
けれど、まったく、きにしていません。
ひとりしずかにあるいていると、小こ
鳥とりのさえずりが、よ
くきこえます。ひとりしずかにあるいていると、はっぱの
ざわめきが、よくきこえます。だれにもじゃまされず、ひと
りしずかにあるくことが、ハリネズミはすきでした。
森もりには、おそろしいどうぶつもいます。
でも、だいじょうぶ。
ハリネズミのせなかには、するどいハリがあります。
じぶんの身は、じぶんでまもれます。だから、ハリネズミはひとりでもへいきなのです。─本文より。
Ⓒmegumi Fujino
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書誌情報
紙版
発売日
2019年10月18日
ISBN
9784065168790
判型
A5
価格
定価:1,485円(本体1,350円)
ページ数
130ページ
電子版
発売日
2019年10月17日
JDCN
06A0000000000152444T
初出
この作品は、毎日新聞2018年10月1日~10月31日「読んであげて」に掲載された作品に加筆・修正したものです。
著者紹介
著・作: 藤野 恵美(フジノ メグミ)
藤野恵美 『七時間目の怪談授業』『七時間目の占い入門』『お嬢様探偵ありすと少年執事ゆきとの事件簿』(講談社・青い鳥文庫)をはじめ、『怪盗ファントム&ダークネス』シリーズ(ジャイブ・カラフル文庫)、『世界で一番のねこ』(アリス館)ほか、一般書ではコージーミステリ短編集『ハルさん』(東京創元社)が話題となり、2017年にテレビドラマ化されるなど児童、一般書の両部門で活躍。『しあわせなハリネズミ』は「ひとりで過ごすのが好き」だという息子をモデルにして書かれた。
イラスト・装画: 小沢 さかえ(オザワ サカエ)
小沢さかえ(おざわさかえ) 1980年生まれ。京都造形芸術大学芸術学部洋画コース卒業。2004年から2008年まで、ウィーン造形美術大学に留学。主にMORI YU GALLERY で展示発表を行うほか、国立国際美術館でのグループ展に参加。台湾、香港でも個展を開催している。絵本作品に『ほしをもったひめ―セルビアのむかしばなし』(八百板洋子・文/福音館書店)、『チャーちゃん』)保坂和志・文/福音館書店)、挿絵を担当した作品に『岸辺のヤービ』(梨木香歩・作/福音館書店)がある。