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詩への小路 ドゥイノの悲歌
シヘノコウジドゥイノノヒカ
- 著: 古井 由吉

ライナー・マリア・リルケ「ドゥイノの悲歌」全訳をはじめ、長年親しんだドイツ、フランスの詩人からギリシャ悲劇まで、還暦の年から九年にわたり書き継がれた詩をめぐる自在な随想と、自らの手による翻訳。徹底した思索と比類なきエッセイズムが結晶した名篇。
「詩はもとより私の領分ではない。外国文学の分野からも、離れてからもう久しい。それでも還暦の今ならぎりぎり、青年期への「お礼奉公」をささやかながら済ませるような気持もあった。/小説は相変わらず苦渋の連続だったが、この詩についての随想のほうは、わずかずつ思い出すにまかせているうちに、いつか私としては楽な筆の運びとなっていた。こんなことは、「山躁賦」の時のほかは知らない。自分は小説と随想の間に生息する者かと思った。」――古井由吉
ⒸFurui Yoshikichi
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書誌情報
紙版
発売日
2020年01月14日
ISBN
9784065185018
判型
A6
価格
定価:2,090円(本体1,900円)
ページ数
288ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2020年01月10日
JDCN
06A0000000000177857V
初出
「るしおる」31号(1997年6月)~56号(2005年3月)。底本は『詩への小路』書肆山田 2005年12月刊。
著者紹介
ふるい・よしきち(1937・11・19~)小説家。東京生まれ。東京大学大学院修士課程修了。大学教員となりブロッホ、ムージル等を翻訳。文学同人誌「白描」に小説を発表。1970年、大学を退職。71年、「杳子」で芥川賞受賞。黒井千次、高井有一、坂上弘らと〈内向の世代〉と称される。77年、高井らと同人誌「文体」を創刊(80年、12号で終刊)。83年、『槿』で谷崎潤一郎賞、87年、「中山坂」で川端康成文学賞、90年、『仮往生伝試文』で読売文学賞、97年、『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞。その他の作品に『山躁賦』『野川』『辻』『白暗淵』『蜩の声』『雨の裾』『この道』等がある。