晴れ、時々くらげを呼ぶ

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晴れ、時々くらげを呼ぶ

ハレトキドキクラゲヲヨブ

文芸(単行本)

現役大学生、受賞!
第14回小説現代長編新人賞。

早くも応援の声、続々!
読みすすめながら、ふと、この小説はぼくが書いているのかもしれない、とおもった。
読了後、ほんとうにそうだった、とわかり、こころの底が熱くなった。
読んでいるひとと書いているひとが、ただひとつにつながれる。
読書のささやかな奇跡が、すべての読者の上に、くらげのように降りおちる。―いしいしんじ

『その日のまえに』『バッテリー』『重力ピエロ』『四畳半神話大系』『スロウハイツの神様』……学校の図書室にこもって本を読みふけり、「私は孤独だぜ」とものすごく傲慢に思っていたあの頃、ずっと彼らを待っていた。 ―額賀澪

今すぐ自分の好きな本を読み返したくなるような、本への愛を感じる物語でした。本が好きな方、そしてこれから好きになる方に読んで欲しいです。 ―武田綾乃


内容紹介:高校二年生の越前亨(えちぜんとおる)は、感情の起伏が少なく、何に対しても誰に対しても思い入れを持つことがあまりない。父親を病気で亡くしてからはワーカホリックな母と二人で暮らしており、父親が残した本を一冊ずつ読み進めている。亨は、売れなかった作家で、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。
図書委員になった彼は、後輩の小崎優子(こさきゆこ)と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。
くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見、距離を取りながら亨は日常を適当にこなす。八月のある日、亨は小崎が泣いているところを見かける。そしてその日の真夜中、クラゲが降った。逸る気持ちを抑えられず、亨は小崎のもとへ向かうが、小崎は「何の意味もなかった」と答える。納得できない亨だが、いつの間にか彼は、自分が小崎に対して興味を抱いていることに気づく。


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書誌情報

紙版

発売日

2020年06月17日

ISBN

9784065194744

判型

四六変型

価格

定価:1,430円(本体1,300円)

ページ数

274ページ

著者紹介

著: 鯨井 あめ(クジライ アメ)

一九九八年生まれ。兵庫県豊岡市出身。兵庫県在住、大学在学中。執筆歴十一年。二〇一五年より小説サイトに短編・長編の投稿を開始。二〇一七年に『文学フリマ短編小説賞』優秀賞を受賞。長年の夢であったプロ作家になるため、新人賞の公募(第14回小説現代長編新人賞)に初めて応募。受賞となる。

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