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悪の五輪
アクノゴリン
- 著: 月村 了衛

1963年3月21日、翌年の東京オリンピック開催を前に、公式記録映画の監督を務めることになっていた黒澤明が降板した。博打をしのぎにしている白壁一家の人見稀郎は、親分からの指示を受け、中堅監督の錦田を後任にねじ込んで、興行界に打って出るべく動き出す。オリンピック組織委員会には政治家、財界関係者が名を連ねており、その下には土建業者や右翼、ヤクザ、さらには警察までもが蠢いており、あらゆる業種が莫大な利権に群がっている。稀郎は記録映画の監督選定に権限を持つ委員たちの周辺を洗い、金や女を使って言うことを聞かせようとする。東京が、日本が劇的に変貌を遂げた昭和の東京オリンピックをモチーフに、現代エンターテインメント小説の旗手が放つ、長編社会派クライムノベル。
ⒸRyoue Tsukimura 2021
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書誌情報
紙版
発売日
2021年07月15日
ISBN
9784065200384
判型
A6
価格
定価:748円(本体680円)
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2021年07月15日
JDCN
06A0000000000334099U
初出
本書は2019年5月、小社より単行本として刊行されたものです。
著者紹介
1963年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒業。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。2012年に『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、2013年に『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、2015年に『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞を受賞。2019年『欺す衆生』で山田風太郎賞を受賞した。他の著書に『神子上典膳』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』などがある。