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臆病な都市
オクビョウナトシ
- 著: 砂川 文次

新型コロナ感染拡大の前に書かれた、新鋭による問題作。
鳥の不審死から始まった新型感染症流行の噂。
その渦中に首都庁に勤めるKは巻き込まれていく……。
組織の論理と不条理、怖れと善意の暴走を生々しく描く傑作。
組織の内部を描くという点で、物凄い洞察力を持った作家だ。
――亀山郁夫
コロナがこうなる前に書かれているというのに凄みを感じる。
――安藤礼二
まったく、なんだってあんな根拠のないものにそうすぐ振り回されてしまうのだろう。
それとも本当に、ただ自分のあずかり知らぬところで未知の病気が広まりつつあるのではないか、とも考えてみたが、やはり実感は湧かない。
家々から漏れる灯りがそこここに生活が在ることを教えてくれる。言い知れぬ不安が、影のように自分のあとを追ってきている気がした。 ――本書より
ⒸBunji Sunakawa
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書誌情報
紙版
発売日
2020年07月30日
ISBN
9784065204290
判型
四六
価格
定価:1,705円(本体1,550円)
ページ数
162ページ
電子版
発売日
2020年07月29日
JDCN
06A0000000000220229K
初出
「群像」2020年4月号
著者紹介
1990年生まれ。元自衛官。現在、地方公務員。2016年、第121回文學界新人賞を「市街戦」で受賞。2018年、「戦場のレビヤタン」で第160回芥川賞候補になる。著書に両作を収録した『戦場のレビヤタン』がある。