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クジオのさかな会計士
クジオノサカナカイケイシ

作家である私は、北イタリアの名所・クジオのオルタ湖畔で創作のための取材をしていた。ペッテナスコの桟橋で物語の舞台について構想を巡らしていると、足にフィンをつけたスイマーから声をかけられる。桟橋に上がり近づいてきたのはオメーニャ村のポラローリという名の会計士。話しかけないでほしいと思っている私に、彼は熱く語りはじめる。身につけているフィンが特別なことや、魚になるためにトレーニングをしていることなどを。私は「マトモじゃない」という言葉を必死で頭から消して、彼の熱弁に耳を傾けるのだった……。
クリスマス・プレゼントにぴったり。前作『緑の髪のパオリーノ』に続く、イタリアの巨匠ジャンニ・ロダーリの魅力あふれる短編集!
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書誌情報
紙版
発売日
2021年11月16日
ISBN
9784065243107
判型
A6
価格
定価:902円(本体820円)
ページ数
208ページ
シリーズ
講談社文庫
初出
本書はイタリアで2013年にEdizioni EL社から刊行された『Fra i banchi』を日本で初めて翻訳・出版した作品です。
著者紹介
1920年生まれ、1980年没。イタリアの作家、詩人、教育者。1970年、国際アンデルセン賞を受賞。20世紀イタリアで最も重要な児童文学者、国民的作家とされている。『チポリーノの冒険』『青(あお)矢号(やごう) おもちゃの夜行列車』『うそつき国のジェルソミーノ』『空にうかんだ大きなケーキ』『羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳』『猫とともに去りぬ』『ランベルト男爵は二度生きる サン・ジュリオ島の奇想天外な物語』。『パパの電話を待ちながら』と『緑の髪のパオリーノ』(ともに講談社)などがある。
1959年神戸市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業。通信社、ウーノアソシエイツ代表。ジャーナリスト。2011年、『ジーノの家 イタリア10景』(文藝春秋)で日本エッセイスト・クラブ賞と講談社エッセイ賞を同時受賞。2019年<ウンベルト・アニェッリ記念 ジャーナリスト賞>受賞、2020年<金の籠賞>受賞。最新刊『海をゆくイタリア』(小学館)など。