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幸福の密室
コウフクノミッシツ
- 著: 平野 俊彦

「入村者はみな必ず幸福になる。来たれ、多幸村へ」
栃木県北部の芳賀野村の移住推進課に勤務する雨貝愛子は、そんな惹句の新聞のPR記事を目にし、疑念と職務上の憤り、そしてわずかな期待をもって長野県にある多幸村を訪れた。
愛子が村までの道中に考えた仮説は、村人がお金か脅迫、あるいは宗教による行動規制、そうでなければドラッグを含む多幸感を沸き立たせる成分を含む何かを村人が接種しているというものだった。
伝染病や風土病まで思いをはせた愛子に対して、村人は皆、一様に親切で愛想がよく、幸福そうに見える。
夫と息子を事故で亡くした愛子にとって、移住すれば幸せになるという話はとうてい納得できるものではない。
理由を探している中で、村では不審な事故死が相次いだ。自身も疑われる中で、愛子はさらなる事件に巻き込まれる。
ⒸToshihiko Hirano
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書誌情報
紙版
発売日
2021年09月16日
ISBN
9784065246306
判型
四六
価格
定価:1,925円(本体1,750円)
ページ数
314ページ
電子版
発売日
2021年09月15日
JDCN
06A0000000000344784U
著者紹介
1956年栃木県出身。東京薬科大学卒業後薬剤師となり、薬学博士号を取得。東京薬科大学薬学部名誉教授。古今東西のミステリーを愛読し、2016年より著作活動をはじめ、『報復の密室』が島田荘司選 第13回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。今作が受賞第一作となる。