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エール 名もなき人たちのうた
エールナモナキヒトタチノウタ
- 著: 朝倉 宏景

「申し訳ないが・・・」
窪塚夏樹、24歳。元プロ野球ピッチャー、元年俸500万円。
突然球団から戦力外通告を受けた夏樹は、決死の思いで合同トライアウトに挑むが、待てど暮らせど連絡は来ない。
専業主婦の妻、3歳の息子。おまけに母親が若年性アルツハイマーにかかり、実家も頼れない。
ヤバい、人生積んだ、そう思いかけたとき、夏樹に唯一救いの手を差し伸べてくれたのは、居酒屋を経営母体にした
社会人チームだった。昼まで練習、夕方からは居酒屋勤務、慣れない仕事に四苦八苦しながらも、あたたかく迎えてくれた
チームメイトと監督とともに都市対抗野球出場を目指しながらプロ復帰を狙う夏樹。
もしかして、ひょっとして。腐りかけた心に希望が芽生え始めた夏樹。ところが、そんな彼らに「コロナ禍」という未曽有の災いが忍び寄る。
悔しくても、悲しくても、負けたく、ない。
コロナ禍で苦境に立たされた元プロピッチャーの迷いと再生を描く、居酒屋社会人野球小説。
やりたいことができないもどかしい思いを抱くすべての人に届けたい、応援歌!
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書誌情報
紙版
発売日
2021年10月13日
ISBN
9784065248782
判型
四六変型
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
306ページ
著者紹介
1984年東京都生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。2012年『白球アフロ』(受賞時タイトル「白球と爆弾」より改題)で、第7回小説現代新人賞奨励賞を受賞。選考委員の伊集院静氏、角田光代氏から激賞された同作は2013年に刊行され話題を呼んだ。2018年『風が吹いたり、花が散ったり』で島清恋愛文学賞を受賞した。甲子園球場の整備を請け負う阪神園芸をモデルにした『あめつちのうた』で話題を呼んだ。他の著作に『野球部ひとり』『つよく結べ、ポニーテール』『僕の母がルーズソックスを』『空洞電車』『日向を掬う』などがある。元高校野球児で、ポジションはセカンド。