開化奇譚集 明治伏魔殿

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電子あり

開化奇譚集 明治伏魔殿

カイカキタンシュウメイジフクマデン

文芸(単行本)

歴史の大きな変わり目には、社会は流動化し、人間関係にも平時には起こりえず、想像もつかない変動が生じる。そんなときにひょっこり生まれる人びとの予想外の取り合わせは、貴重な“歴史の偶然”として現出するが、多くの場合たちまち短命に消え失せてしまい、人びとに記憶されず、ましてや記録として書き残されることもない。筆者(わたし)がこれから書こうとしている物語は、ことによったら歴史の流れを異なる水路に導いたかもしれないひとつのエピソードである(「明治天皇の馭者」より)。
文明とは、ある可能性の粉砕であり、開化とは、挫折した夢と怨みの上に咲いた花である。新時代の到来に必然はない。ありえたかもしれない未来と希望のもつれを解きほぐす、5つのネオフィクションの試みが見せる光景とは?


Ⓒ野口武彦

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目次

崩し将棋
明治天皇の馭者
巷説銀座煉瓦街
陰刻銅版画師
粟田口の女

書誌情報

紙版

発売日

2022年02月23日

ISBN

9784065269664

判型

四六変型

価格

定価:2,310円(本体2,100円)

ページ数

250ページ

電子版

発売日

2022年02月22日

JDCN

06A0000000000432909Y

初出

「崩し将棋」…「群像」2019年11月号、「明治天皇の馭者」「巷説銀座煉瓦街」「陰刻銅版画師」「粟田口の女」は書き下ろし。

収録作品

  • 作品名

    崩し将棋

    初出

    『群像』2019年11月号

著者紹介

著: 野口 武彦(ノグチ タケヒコ)

野口武彦(のぐち・たけひこ) 1937年東京生まれ。文芸評論家。早稲田大学第一文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を退官後、著述に専念する。日本文学・日本思想史専攻。1973年、『谷崎潤一郎論』(中央公論社)で亀井勝一郎賞、1980年、『江戸の歴史家─歴史という名の毒』(ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞受賞。1986年、『「源氏物語」を江戸から読む』(講談社学術文庫)で芸術選奨文部大臣賞、1992年、『江戸の兵学思想』(中公文庫)で和辻哲郎文化賞、2003年、『幕末気分』(講談社文庫)で読売文学賞、2021年に兵庫県文化賞を受賞。著書多数。最近の作品に『元禄六花撰』『元禄五芒星』(いずれも講談社)などがある。

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