完全犯罪の恋

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電子あり

完全犯罪の恋

カンゼンハンザイノコイ

講談社文庫

「すごい小説を読んでしまった。
私はこの先も、何度も自分の血を辿るように
この作品を読み返すと思う」
             ――紗倉まな

「人は恋すると、罪を犯す。
運命でも必然でもなく、独りよがりの果てに。
その罪を明かさないのが、何よりの罰」
             ーー中江有里

「私の顔、見覚えありませんか」
突然現れたのは、初めて恋仲になった女性の娘だった。

芥川賞を受賞し上京したものの、変わらず華やかさのない生活を送る四十男である「田中」。
編集者と待ち合わせていた新宿で、女子大生とおぼしき若い女性から声を掛けられる。
「教えてください。どうして母と別れたんですか」
下関の高校で、自分ほど読書をする人間はいないと思っていた。
その自意識をあっさり打ち破った才女・真木山緑に、田中は恋をした。
ドストエフスキー、川端康成、三島由紀夫……。
本の話を重ねながら進んでいく関係に夢中になった田中だったが……。

芥川賞受賞後ますます飛躍する田中慎弥が、過去と現在、下関と東京を往還しながら描く、初の恋愛小説。


ⒸShinya Tanaka

書誌情報

紙版

発売日

2022年11月15日

ISBN

9784065298534

判型

A6

価格

定価:649円(本体590円)

ページ数

200ページ

シリーズ

講談社文庫

電子版

発売日

2022年11月15日

JDCN

06A0000000000569681O

初出

本書は2020年10月、小社より単行本として刊行されました。

著者紹介

著: 田中 慎弥(タナカ シンヤ)

田中慎弥(たなか・しんや) 1972年山口県生まれ。山口県立下関中央工業高校卒業。2005年、「冷たい水の羊」で第37回新潮新人賞受賞。2008年、「蛹」で第34回川端康成文学賞受賞。同年、「蛹」を収録した作品集『切れた鎖』で第21回三島由紀夫賞受賞。2012年、「共喰い」で第146回(平成23年度下半期)芥川龍之介賞受賞。同作は2013年9月、映画化された。2019年、『ひよこ太陽』で第47回泉鏡花文学賞受賞。他の著書に、『燃える家』『宰相A』『地に這うものの記録』などがある。

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