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永遠年軽
エイエンネンケイ
- 著: 温 又柔

十七歳の私たちは、「はるか遠くにある未来」を夢みていた――
私=林由起子には、林美怜と林圭一という同じ「林」の苗字を持つ友人がいた。やがて圭一は美怜と付き合うようになり、三人の関係に変化が訪れる……。国籍や性別を超えた三人の友情、その積み重ねた時間を描いた表題作をはじめ、「日本語文学」を拡張する傑作作品集。
完全に普通のひとなんか、この世に一人もいないよ。誰もが皆、それぞれ、ちょっとずつ、普通じゃないんだ。(「永遠年軽」)
おじいちゃんはね、二十歳までは、日本人だったんだよ。(「誇り」)
父が、おりこうさん、と言ってくれるから、ガイジン、とか、タイワン、とはやしたてられても耐えられた。(「おりこうさん」)
ⒸWen Yuju
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書誌情報
紙版
発売日
2022年10月06日
ISBN
9784065293720
判型
四六
価格
定価:1,595円(本体1,450円)
ページ数
144ページ
電子版
発売日
2022年10月05日
JDCN
06A0000000000545424I
初出
「永遠年軽」…「群像」2021年12月号、「誇り」…「すばる」2018年12月号、「おりこうさん」…「早稲田文学 増刊号 家族」2022年。
著者紹介
1980年、台北市生まれ。両親とも台湾人。幼少時に来日し、東京で成長する。2009年「好去好来歌」ですばる文学賞佳作、15年『台湾生まれ 日本語育ち』で日本エッセイスト・クラブ賞、2020年『魯肉飯のさえずり』で織田作之助賞を受賞。著書に『来福の家』『真ん中の子どもたち』『空港時光』、エッセイ集『「国語」から旅立って』、小説家・木村友祐との往復書簡集『私とあなたのあいだ――いま、この国で生きるということ』、編著に『李良枝セレクション』など。