
マイページに作品情報をお届け!
香港陥落
ホンコンカンラク
- 著: 松浦 寿輝

1941年12月8日未明、日本軍はハワイオアフ島の真珠湾軍港を奇襲攻撃、太平洋戦争が始まった。さらに同日未明、当時イギリスの植民地だった香港攻略作戦を開始した日本軍は18日に香港島へ上陸、25日、イギリスは全面降伏。以降、香港は3年8ヵ月にわたって日本の統治下に置かれた――
元ロンドン駐在の外交官・谷尾悠介、イギリスから香港へ流れ着いて通信社で働くリーランド、香港の貿易商・黄。日本軍が占領する直前のイギリス領香港で出会った国籍の異なる三人。酒と広東料理とシェイクスピアを愛する男達が、それぞれが秘密を抱えながらも奇妙な絆で結ばれていく。過酷な時代の狂風が吹き荒れる中、国家と個人はどう向き合えばいいのか。谷崎潤一郎賞・ドゥマゴ文学賞のダブル受賞作『名誉と恍惚』を凌ぐ、傑作長篇。
ⒸHisaki Matsuura
- 前巻
- 次巻
オンライン書店で購入する
目次
香港陥落
一九四一年十一月八日土曜日
一九四一年十二月二十日土曜日
一九四六年三月二十三日土曜日
香港陥落――Side B
一九四一年十一月十五日土曜日
一九四一年十二月二十日土曜日
一九六一年七月十五日土曜日
書誌情報
紙版
発売日
2023年01月13日
ISBN
9784065300237
判型
四六
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
256ページ
電子版
発売日
2023年01月12日
JDCN
06A0000000000570192M
初出
「香港陥落」…「群像」2020年9月号、「香港陥落――side B」…「群像」2022年9月号。
著者紹介
1954年東京生まれ。詩人、小説家、東京大学名誉教授(フランス文学・表象文化論)。1988年『冬の本』で高見順賞、95年『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、96年『折口信夫論』で三島由紀夫賞、『平面論』で渋沢・クローデル賞平山郁夫特別賞、2000年『知の庭園』で芸術選奨文部大臣賞、同年「花腐し」で芥川賞、2005年『あやめ 鰈 ひかがみ』で木山捷平文学賞、同年『半島』で読売文学賞、2009年『吃水都市』で萩原朔太郎賞、2014年『afterward』で鮎川信夫賞、2015年『明治の表象空間』で毎日芸術賞、2017年『名誉と恍惚』で谷崎潤一郎賞とBunkamuraドゥマゴ文学賞、2019年日本芸術院賞、同年『人外』で野間文芸賞を受賞。他に『川の光』『不可能』『わたしが行ったさびしい町』『無月の譜』など。