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雪の日にライオンを見に行く
ユキノヒニライオンヲミニイク
残留邦人の祖父を持つ、唯人(ゆいと)。父は中国で生まれ、日本で家族をつくったが、唯人がおさないころに帰国してしまった。
唯人は、何をするにも自信がなく、話すのも苦手。
大事なことを自分で伝えられず、いとこの洋(よう)ちゃんにくっついて任せてしまう。
洋ちゃんとクラスが離れた小学五年生の秋学期、クラスに転校生がやってくる。
クラスメイトがあれこれと話しかけても、転校生の生島梓(きじまあずさ)はそっけない返事ばかりして、クラスになじもうとしない。
唯人はそんな梓に親近感を覚えるようになる。
老人福祉施設を訪問してのクリスマス会、年末年始の家族のやりとり、年明けのなわとび大会…。
唯人は、中国残留邦人としておじいちゃんが抱えてきた悩みや家族への葛藤、梓が抱えている孤独を知っていくことになる――。
第24回ちゅうでん児童文学賞 大賞受賞作品。
[選考委員:斉藤洋氏、富安陽子氏、山極寿一氏]
いろいろな者たちの孤独が、あるところでは重なり、他のところでは、同じ言葉ではあらわせないほど遠くへだたっている。元来、孤独ということは、そういうものなのだ。――斉藤洋
多種多様な子ども達を、「そんな子がいてもいいのです」という、小学校の先生の一言が支えます。その言葉のなんと強く、温かいこと!――富安陽子
いったい自分は何者なのか。アフリカの多くの民族が入り交じった地域でゴリラの調査をしてきた私には、その葛藤がよくわかる。――山極寿一
ⒸEiko Sizu/Chuden Foundation for Education
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書誌情報
紙版
発売日
2023年02月01日
ISBN
9784065305119
判型
四六
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
208ページ
シリーズ
文学の扉
電子版
発売日
2023年01月31日
JDCN
06A0000000000595253T
著者紹介
岐阜県在住。2022年、本作「雪の日にライオンを見に行く」にて、第24回ちゅうでん児童文学賞大賞受賞。
1988年、京都府生まれ。円居挽のデビュー作『丸太町ルヴォワール』を始め、書籍装画で活躍するイラストレーター。ほか装画を担当した小説作品に『ペンギン・ハイウェイ』(森見登美彦/KADOKAWA)、『鳥葬』(江波光則/ガガガ文庫)などがある。