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サーカスの子
サーカスノコ
- 著: 稲泉 連

大天幕の中に入ると、そこは夢の世界だった。--
舞台の上で繰り広げられる華やかなショー、旅を日常として生きる芸人たち。子供時代をサーカスで過ごした著者が、失われた〈サーカスの時代〉を描く、私的ノンフィクション。
あの場所は、どこへ行ったのか?
僕がそのときいた「サーカス」という一つの共同体は、華やかな芸と人々の色濃い生活が同居する場所、いわば夢と現が混ざり合ったあわいのある場所だった。(本文より)
幼いころ母とともにキグレサーカスで暮らした著者は、四十年近い歳月を経て、当時の芸人たちの物語を聞きにいく。
それは、かつて日本にあった貴重な場所の記録であり、今は失われた「故郷」と出会い直していくような経験だった。
気鋭のノンフィクション作家による注目作。
ⒸRen Inaizumi
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目次
・プロローグ ひとかけらの記憶の断片から1
第一章 終わらない祭りの中で
・ひとかけらの記憶の断片から2
第二章 サーカス芸人、女三代
・ひとかけらの記憶の断片から3
第三章 サーカスの男たち
・ひとかけらの記憶の断片から4
第四章 二人の道化師
終章 最後のサーカスの子
・エピローグ ひとかけらの記憶の断片から5
書誌情報
紙版
発売日
2023年04月03日
ISBN
9784065309667
判型
四六
価格
定価:2,090円(本体1,900円)
ページ数
280ページ
電子版
発売日
2023年03月31日
JDCN
06A0000000000609862I
初出
プロローグ ひとかけらの記憶の断片から1…「群像」2022年9月号、第一章 終わらない祭りの中で…「群像」2022年9月号、ひとかけらの記憶の断片から2…「群像」2023年3月号、第二章 サーカス芸人、女三代…「群像」2023年3月号、ひとかけらの記憶の断片から3…書き下ろし、第三章 サーカスの男たち…書き下ろし、ひとかけらの記憶の断片から4…書き下ろし、第四章 二人の道化師…書き下ろし、第五章 最後のサーカスの子…「群像」2023年3月号、エピローグ ひとかけらの記憶の断片から5…書下ろし。
著者紹介
稲泉連(いないずみ・れん) 1979年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2005年『ぼくもいくさに征くのだけれど―竹内浩三の詩と死』(中公文庫)で第36回大宅壮一ノンフィクション賞を当時最年少の26歳で受賞。他の著書に『アナザー1964 パラリンピック序章』(小学館)、『豊田章男が愛したテストドライバー』(小学館文庫)、『廃炉―「敗北の現場」で働く誇り―』(新潮社)、『「本をつくる」という仕事』(ちくま文庫)、『ドキュメント 豪雨災害一そのとき人は何を見るか』(岩波新書)などがある。