その音は泡の音

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その音は泡の音

ソノオトハアワノオト

文芸(単行本)

『点滅するものの革命』で第65回群像新人文学賞を受賞した新鋭が描く、注目の受賞第一作。
大学のお笑いサークルに所属するわたしたちは、夏の10日間、東北地方をめぐる公演合宿ツアーに出発した。
各紙文芸時評で絶賛!夢と現の狭間で移りゆく思考と感情の泡立ち、分岐する記憶をとらえる奇跡の文体。

毎年、大学の夏休みに行われるお笑いサークルの合宿では、行き先ごとに分かれ、老人ホームや病院でコントや大喜利を披露する。東北班のメンバーは、3年の朝倉とミミ、2年で班長の三井、1年のユカリと杉崎。レンタカーで出発したわたしたちは初日の目的地・福島へ向かうが、旅の予定は早々に乱れて……。

・ユカリ 「先輩たちと比べて、ふだんのあたしがしているやりとりときたら、どれだけ鈍臭いことだろう?」
・三井 「慣れてしまえばイジられキャラも悪くない。イジられることにも技術がいるのだ。」
・ミミ 「楽しい楽しい。ずっとこんなことして生きていきたい。」
・杉崎 「どうせ明日には忘れてしまうことだ。二度と会わない人を思いだすほど無意味なことはない。」
・朝倉 「どうしても思いだせない。どこへ行ってなにを見たのか。おれはとりかえしのつかないことをしてしまったんじゃないのか。」


ⒸItsu Hirasawa

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書誌情報

紙版

発売日

2024年02月29日

ISBN

9784065342718

判型

四六

価格

定価:1,870円(本体1,700円)

ページ数

140ページ

電子版

発売日

2024年02月28日

JDCN

06A0000000000749848P

初出

「群像」2023年9月号

著者紹介

著: 平沢 逸(ヒラサワ イツ)

ひらさわ・いつ 1994年東京都生まれ。早稲田大学基幹理工学部数学科卒業。2022年、「点滅するものの革命」で第65回群像新人文学賞を受賞。

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