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猿の戴冠式
サルノタイカンシキ
- 著: 小砂川 チト

第170回芥川龍之介賞候補作。
いい子のかんむりは/ヒトにもらうものでなく/自分で/自分に/さずけるもの。
ある事件以降、引きこもっていたしふみはテレビ画面のなかに「おねえちゃん」を見つけ動植物園へ行くことになる。言葉を機械学習させられた過去のある類人猿ボノボ”シネノ”と邂逅し、魂をシンクロさせ交歓していく。
――”わたしたちには、わたしたちだけに通じる最強のおまじないがある”。
”女がいますぐ剥ぎ取りたいと思っているものといえば、それは〈人間の女の皮〉にちがいなかった。女は人間の〈ふり〉をして、ガラスの向こう側にたっている”
”女とシネノは同じだった。シネノのほうはそのふるまいこそ完璧ではあったけれど、それでも猿の〈ふり〉をして、あるいは猿の〈姿をとって〉、こちら側にいる”
ねえ、なにもかもがいやなかんじなんでしょう。ちがう?
Ⓒchito kosagawa
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書誌情報
紙版
発売日
2024年01月19日
ISBN
9784065346952
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
144ページ
電子版
発売日
2024年01月17日
JDCN
06A0000000000754808O
初出
「群像」2023年12月号 単行本化にあたり加筆修整を行いました。
著者紹介
小砂川チト(こさがわ・ちと) 1990年岩手県生まれ。慶応義塾大学文学部卒業、同大学院社会学研究科心理学専攻修了。 2022年、「家庭用安心坑夫」で第65回群像新人文学賞を受賞、同作が第167回芥川賞候補作となる。 著書として『家庭用安心坑夫』(講談社)がある。