かごいっぱいに詰め込んで

「いいなあ、幸せそうで」


スーパーを訪れる５編の「生活」。

寿退社をして主婦となり、子どもが手を離れた美奈子。社会に出て働こうと思い立つが、転職活動は思うようにいかない。
（「おしゃべりなレジ係」）

小学生の頃からのある癖によって痩せた、大学生の流花。しかし「ぶた」と呼ばれて受け流してしまった当時の自分を未だに許せない。
（「小さな左手」）

元彼女に二股をかけられて以来、マッチングアプリで遊ぶようになった亮。ある日会社の後輩から、SNSで自分がヤリモクの要注意人物として晒されていると知らされる。
（「気をつけてください！」）

友達の結婚ラッシュに焦り、婚活アプリで出会った貴文と結婚した咲希。出産した友達に「次は咲希の番だね」と言われ、咲希も妊活を始める。
（「なわとびの入り方」）

IT化についていけず、早期退職した哲郎。ハローワークで再就職先を見つけられず、妻にも愛想をつかされ、公園のベンチで昼食をとる日々が続く。
（「不機嫌おじさん」）


「もう無理かもしれない」そんな気持ちを真下みことは掬い上げ、寄り添い、抱きしめてくれる。

ⒸMikoto Mashita

書誌情報

紙版

• 発売日: 2024年08月07日
• ISBN: 9784065361764
• 判型: 四六変型
• 価格: 定価：1,815円（本体1,650円）
• ページ数: 256ページ

電子版

• 発売日: 2024年08月06日
• JDCN: 06A0000000000824082Y

著者紹介

著： 真下　みこと（マシタ　ミコト）

1997年埼玉県生まれ。 2019年『#柚莉愛とかくれんぼ』で第61回メフィスト賞を受賞し、2020年作家デビュー。 著書に『あさひは失敗しない』『茜さす日に嘘を隠して』『舞璃花の鬼ごっこ』『わたしの結び目』がある。