草の陰刻 新装版(下)

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電子あり

草の陰刻 新装版(下)

クサノインコクシンソウバンゲ

講談社文庫

松山地方検察庁地方支部失火事件から端を発した、検事瀬川良一の探索は、巨悪の昏い過去に迫りつつあった。
失火事件で喪われた昭和25年の大島信用金庫殺人事件の記録を復元しようとする瀬川の執念で、重要な証人、当時被疑者とされた山口重太郎の協力で、一気に核心に迫りつつあった。
だが中学を出た娘の東京のデパートへの就職についてきた山口重太郎が、瀬川の使いだと騙った一味にさらわれてしまう。信用金庫の事件の担当検事で、交通事故で亡くなったばかりの大賀庸平の娘冴子も、ようやく瀬川に協力の姿勢を見せつつあった矢先だった。
冴子が示唆した実力者「S」とは、大島信金の職員から、後ろ暗い過去を重ね、群馬の代議士夫妻に取り入り、地盤を乗っ取りのし上がった、山岸正雄改め佐々木信明なのか。
松山地検支部の火災が放火でなく失火と結論づけられている以上、支部の責任検事だった瀬川は覆して覆して、検察当局や警察の手を借りることはできない。
庸平が親しかった四谷署の平塚刑事の協力で、大切な証人は失わずにすんだものの、徒手空拳で若い検事が実力派代議士佐々木信明に迫るには、まだまだ手駒が足りなかった……。
巨匠松本清張のミステリー代表作、読みやすい新装版に。

解説 塩田武士


ⒸYoiici Matsumoto

書誌情報

紙版

発売日

2025年01月15日

ISBN

9784065381908

判型

A6

価格

定価:1,012円(本体920円)

ページ数

480ページ

シリーズ

講談社文庫

電子版

発売日

2025年01月15日

JDCN

06A0000000000865526W

初出

本書は1971年7月に講談社文庫より刊行された『草の陰刻』を改訂し文字を大きくした新装版です。新装版化にあたり二分冊にいたしました。

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