父の回数

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電子あり

父の回数

チチノカイスウ

文芸(単行本)

話題のシスター・バイオレンスアクション『ババヤガの夜』の著者が放つ傑作小説集。

父親が死んだという連絡がある。母親は三十年以上前に父と離婚してから、まったく没交渉だった人間だ。葬式を準備する私と母の顔には、「めんどうくさい」という字がくっきり刻まれている(「かたす・ほかす・ふてる」)。

誰にも同情されず、注目もされず、生きる営みを淡々鬱々と続ける人々の心を照らすものとは? 孤独な現代人の心を揺さぶる「ダイバーシティ」ファミリー小説五編。

こんな風に書かれる主人公たちが心底羨ましい。理屈じゃなくて、肌触りが好き。独り占めしたいから読まないでください!
―尾崎世界観(ミュージシャン・作家)

全編、順番を付けられないくらい好きです。そして、どのお話にでてくる人も好きです。
共に生きられなくても、あなたを生かしてくれるひとはいるのだよ、と王谷さんが語りかけてくれるようでした。
―町田そのこ(作家)

これはあなたの話であり、わたしの話であり、あなたのすぐ隣で生きているひとの話だ。
―永井玲衣 (哲学者・作家)

つながりは言葉のまえに、そこにあって、じぶんの家族も、本当は名付けられないなにかだ。
本書は家族という最小の社会につけられた、無数の傷を愛そうとするこころみである。
―海猫沢めろん(作家)

この小説たちは、まさに現代の「人間喜劇」(19世紀の文豪バルザックの小説群)だ!―(担当編集)


ⒸAkira Outani 2025

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書誌情報

紙版

発売日

2025年04月23日

ISBN

9784065389683

判型

四六

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

ページ数

240ページ

電子版

発売日

2025年04月22日

JDCN

06A0000000000897259P

初出

「おねえちゃんの儀」…「小説現代」2025年4月号、「あのコを知ってる?」…「小説現代」2023年10月号、「◀◀(リワインド)」…「小説現代」2023年1・2月合併号、「父の回数」…「小説現代」2022年5・6月合併号、「かたす・ほかす・ふてる」…「小説現代」2024年1・2月合併号にそれぞれ掲載されました。

著者紹介

著: 王谷 晶(オウタニ アキラ)

(おうたに・あきら)1981年東京都生まれ。著書には『ババヤガの夜』(ロサンゼルス・タイムスで「この夏読むべきミステリー5冊[2024年]」に選出)『君の六月は凍る』『完璧じゃない、あたしたち』『40歳だけど大人になりたい』『他人屋のゆうれい』などがある。

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