「国境なき医師団」をそれでも見に行く  戦争とバングラデシュ編

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「国境なき医師団」をそれでも見に行く  戦争とバングラデシュ編

コッキョウナキイシダンヲソレデモミニイク センソウトバングラデシュヘン

文芸(単行本)

世界最大の難民キャンプで、作家が出会った「もう一つの戦争」。希望なき世界でたたかう仲間たちを描く、大反響ルポルタージュ!
前回訪ねたガザとヨルダン川西岸地区に続き、バングラデシュにあるロヒンギャ難民キャンプを訪ねた著者。世界が暴力に覆われるなか、困難を増す難民の人々の現実と国際人道支援の最前線を描く。歴史学者・藤原辰史氏との対談を収録。

「著者は深く傷ついている。苦境に生きる人たちの姿を見、話を聞き、その理不尽に憤り、でも憤るよりもっと深く、傷ついている。傷ついていることを、隠さずに書いている。私はそのことに心動かされ、そして、なんと信頼できるルポだろうと思うのだ。」角田光代さん(群像2025年5月号より)

「いとうさんが訪ねた場所は、現代史の「傷」の現場だ。私は本書を生きた歴史の本として読み、著者とともに世界を旅した。」藤原辰史さん

「私たちがいなくていい世界にするために、私たちが今ここにいる」(「国境なき医師団」メンバーの言葉)
彼らはこの希望なき世界で、信じることのできない希望のためになお“踏みとどまっている”、あるいは“退避してひたすら前方をにらんでいる”、または“一歩ずつ目的地へにじり寄っている”。つまり、それでも彼らはいる。現在、世界はきつい。希望は日々少なくなる。しかしそれでも、いやだからこそ「私たちが今ここにいる」必要がある。そして俺も『「国境なき医師団」をそれでも見に行く』のだ。――いとうせいこう


目次

まえがき
序章 戦争について
第1章 ロヒンギャ難民キャンプへ
第2章 武装したギャングスタの暗躍
第3章 世界のマイナスが詰まったキャンプ
第4章 高潔で若い人々
第5章 井戸工事とキャンプ最大の病院
第6章 故郷を失った者たちは歌う
「国境なき医師団」インタビュー「故郷を失った人たちの声を聞く」
藤原辰史さんに聞く「歴史の傷と向き合うために」

書誌情報

紙版

発売日

2025年04月24日

ISBN

9784065390863

判型

四六

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

ページ数

216ページ

電子版

発売日

2025年04月23日

JDCN

06A0000000000897257N

初出

戦争とバングラデシュ編…「群像」2024年9月号、2025年2月号、群像WEB、「故郷を失った人たちの声を聞く」…書き下ろし、「歴史の傷と向き合うために」…「群像」2025年4月号。

著者紹介

著: いとう せいこう(イトウ セイコウ)

1961年、東京都生まれ。編集者を経て、作家、クリエイターとして活字・映像・音楽・舞台など多方面で活躍。『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞を受賞。『想像ラジオ』が三島賞、芥川賞候補となり、第35回野間文芸新人賞を受賞。ほかの著書に『ノーライフキング』『存在しない小説』『我々の恋愛』『どんぶらこ』『福島モノローグ』『東北モノローグ』『能十番―新しい能の読み方―』、『見仏記』(みうらじゅんとの共著)、『「国境なき医師団」を見に行く』『「国境なき医師団」をもっと見にいく ガザ、西岸地区、アンマン、南スーダン、日本』など多数。

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