朔と新

マイページに作品情報をお届け!

受賞作

朔と新

サクトアキ

講談社文庫

第58回野間児童文芸賞受賞作品。

兄の朔(さく)が1年ぶりに家へと帰ってきた。朔と弟の新(あき)は、一昨年の大晦日、父親の故郷で正月を迎えるために高速バスで仙台に向かい、バスが横転する事故に巻き込まれた。朔は視力を失い、盲学校での生活を送っていたのだ。大晦日に帰省することになったのは、新が母親と衝突したことが原因だった。本来の予定より一日遅れでバスに乗ったのが、運命を変えたのだ。
中学時代、新は長距離走者として注目を浴びていたが、ランナーとしての未来を自ら閉ざし、高校に進学した後も走ることをやめた。
そんな新に、突然、朔が願いを伝える。
「伴走者になってもらいたいんだ、オレの」
激しく抵抗する新だったが、バスの事故に巻き込まれたことへの自責の念もあり、その願いを断ることはできなかった。かくして兄と弟は、1本のロープをにぎり、コースへと踏み出してゆく――。
ブラインドマラソンを舞台に、近いからこそ遠くに感じる兄弟、家族の関係を描き切った青春ストーリー。

著者は、多数のYA作品を執筆し、河合隼雄物語賞、坪田譲治文学賞など数々の受賞歴がある、いとうみく。夏の読書感想文全国コンクールの課題図書でもおなじみのいとうみくの作品群は、今を生きる若者たちの必読書といえる。満を持しての文庫化!

文庫版解説は、金原瑞人氏(翻訳家)


オンライン書店で購入する

書誌情報

紙版

発売日

2025年07月15日

ISBN

9784065393130

判型

A6

価格

定価:891円(本体810円)

ページ数

304ページ

シリーズ

講談社文庫

著者紹介

著: いとう みく(イトウ ミク)

神奈川県生まれ。『糸子の体重計』(童心社)で日本児童文学者協会新人賞、『空へ』(小峰書店)で日本児童文芸家協会賞、『朔と新』(講談社)で野間児童文芸賞、『きみひろくん』(くもん出版)でひろすけ童話賞、『あしたの幸福』(理論社)で河合隼雄物語賞を受賞、『真実の口』(講談社)で日本児童文学者協会賞、うつのみやこども賞をダブル受賞。『二日月』(そうえん社)、『チキン!』(文研出版)、『天使のにもつ』(童心社)などが青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれた。他の著書に、『かあちゃん取扱説明書』(童心社)、「車夫」シリーズ(小峰書店)、『夜空にひらく』(アリス館)などがある。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。

オンライン書店一覧

既刊・関連作品一覧

製品関連情報