おとうさんのポストカード
オトウサンノポストカード
第二次世界大戦中1万人のユダヤ人を救った「いのちの電車」に乗って、お父さんと別れた少年とお父さんの家族愛を描いたおはなし。
1939年2月、ベルリンに住む6歳のヘンリーは、ヒットラー政権のユダヤ人迫害から逃れるため、お父さんと離れてイギリスと暮らすことになりました。
ベルリンではユダヤ人と差別され、イギリスではドイツ人と差別されて傷つくヘンリー。
心の支えになったのは、ベルリンから届く、おとうさんのポストカードでした。
おとうさんが、ヘンリーを思いやって選んだポストカードは、とてもかわいらしくヘンリーの心をなぐさめてくれます。
お父さんが息子を思いやる気持ちが伝わる……愛にあふれた物語。
本当にあったお話にもとづいた戦後80周年記念企画。
巻末に、第二次世界大戦中にドイツからイタリアに子どもたちをおくった「キンダートランスポート」の解説、年表を掲載しています。
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書誌情報
紙版
発売日
2025年06月27日
ISBN
9784065399095
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
176ページ
著者紹介
作:那須田淳 1959年浜松市生れ。子ども時代を武蔵野と鎌倉で過ごし、早稲田大学を経て、しばらく海外を放浪。28歳のとき『三毛猫のしっぽに黄色いパジャマ』(ポプ ラ社)で作家デビュー。『ペーターという名のオオカミ』(小峰書店)で、産経児童出版文化賞、坪田譲治文学賞を受賞。著作に『星空ロック』(あすなろ書 房・ポプラ文庫ピュアフル)など多数ある。翻訳も『ちいさなちいさな王様』(講談社)など数多く手がける。95年にベルリンに転居し、今も年に半分はドイ ツにいる。和光大学・清泉女子大学非常勤講師。
監修:中村 真人 1975年横須賀市生まれ。10代のころからベルリン・フィルに憧れ、早稲田大学在学中は交響楽団に所属。2000年にベルリンに移住し、現在はフリーライター としてクラシック音楽や歴史、戦争と記憶の継承などについて執筆している。著作に『明子のピアノ 被爆をこえて奏で継ぐ』(岩波ブックレット)、『ベ ルリンガイドブック』(地球の歩き方)など。これまで雑誌「世界」(岩波書店)にキンダートランスポート、アウシュヴィッツの焼却炉などのテーマで寄 稿。