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伝言
デンゴン
- 著: 中脇 初枝

わたしは、やっと、自分がなにを作っていたのか知った。
満洲国・新京。
そこで彼女たちに何があったのか。
戦後80年
『きみはいい子』『世界の果てのこどもたち』『天までのぼれ』の著者がおくる、語り継ぐべき物語。
『世界の果てのこどもたち』には書かれなかった、もう一つの真実。
わたしは気づけなかった。
気づけなかったことはたくさんあった。
この物語の中で繰り返されるこの言葉が、いまを生きる、私に迫る。(略)
私はこの作品が『伝言』と題されたことの重大さを、ずっと考え続けている。
――小林エリカ(解説より)
満洲国・新京で暮らす、ひろみ。
聖戦とよばれた戦に勝つため、工場に集められた彼女たちは、鉄の機械とのり、刷毛を使って畳ほどの大きさの「紙」を作り続ける。
それが何なのか、考えもせずに。
五族協和、尽忠報国――信じていた国でひろみたちはどう生きたのか。
これはわたしたちが忘れてはならない物語。
ⒸHatsue Nakawaki 2025
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書誌情報
紙版
発売日
2025年08月08日
ISBN
9784065401415
判型
A6
価格
定価:1,001円(本体910円)
ページ数
384ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2025年08月08日
JDCN
06A0000000000935040R
初出
この作品は2023年8月、小社より刊行された単行本を文庫化したものです。
著者紹介
徳島県生まれ、高知県育ち。高校在学中に『魚のように』で第2回坊っちゃん文学賞を受賞しデビュー。2013年『きみはいい子』で第28回坪田譲治文学賞を受賞。'14年『わたしをみつけて』で第27回山本周五郎賞候補、'16年『世界の果てのこどもたち』で第13回本屋大賞第3位、第37回吉川英治文学新人賞候補。他の作品に、奄美沖永良部島を舞台にした『神に守られた島』『神の島のこどもたち』、島唄と風景を紹介する写真集『神の島のうた』(写真/葛西亜理沙)、高知の楠瀬喜多を描いた初の評伝小説『天までのぼれ』がある。『こりゃまてまて』、「はじめての世界名作えほん」シリーズ、「女の子の昔話えほん」シリーズなど、絵本や昔話の再話も手掛ける。