読むと死ぬ本

読むと死ぬ本

ヨムトシヌホン

文芸(単行本)

それでもこの本を開こうとするあなたへ。
お急ぎでない場合は、身辺の整理を済ませておくことを強くお勧めします。
正直なところ、どこまで読んだら「この本を読んだ」という判定になるのか判断しかねるのが心苦しいところです。

警告はしました。
かつてロシアには「読むと死ぬ本」が存在しました。
日本でも翻訳され、読者が本当に次々と亡くなっていったため発禁本となり、この世から消えた--はずでした。
今、私の目の前に現れた一冊の本。
この本を開いたときから、私、彩藤アザミの運命は狂い始めたのです。


【あらすじ】
ベストセラー作家を夢見ながらも売れない小説を書き続ける私。ロシアで「読むと死ぬ本」と呼ばれる本を書き、謎の生涯を送ったセージャ・ダビニフスのドキュメントを書き上げ、担当編集の氷上さんに手渡すと、「実は見つけたんですよ、本物を。彩藤さん、読みたくありませんか……?」と告げられた。本当に読むと死ぬというのだろうか。その呪いは本物なのだろうか。私は興味をひかれつつもその日は答えを出さずに帰宅した。そして、その日、あの人に死が訪れた--。現代によみがえった本が、私の生活を侵食していく。いやだ、死にたくない。だれか助けてください。


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書誌情報

紙版

発売日

2025年09月10日

ISBN

9784065404843

判型

四六変型

価格

定価:2,090円(本体1,900円)

ページ数

208ページ

著者紹介

著: 彩藤 アザミ(サイドウ アザミ)

1989(平成元)年岩手県盛岡市生れ。岩手大学教育学部芸術文化課程卒業。2014年『サナキの森』で新潮ミステリー大賞を受賞しデビュー。耽美な世界観を描く精緻な筆致と軽妙なキャラクター同士のやりとりが魅力。他著書に『樹液少女』「昭和少女探偵團」シリーズ『あわこさま─不村家奇譚─』「幽霊作家と古物商」シリーズがある。

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