娼家の灯/面影 川崎長太郎新聞連載随筆集

娼家の灯/面影 川崎長太郎新聞連載随筆集

ショウカノヒ オモカゲ カワサキチョウタロウシンブンレンサイズイヒツシュウ

講談社文芸文庫

いわゆる赤線、著者が描いてきた「抹香町」、玉の井やその他私娼街など、娼婦の街に生きた女たちの姿を、感傷を排して描く「娼家の灯」。
小田原をはじめとする西湘地域の時代的な変遷をたどった「西湘今昔」。
徳田秋声や宇野浩二ら長太郎が交友した作家たちの姿を活写する「面影」。
当時の社会への批評や自身の日常にまつわる出来事を綴った「週言」。
自らをもクールに見つめ容赦なく素材として使って描きつづけた私小説作家ならではの、感傷を排した筆致でありながら、どことなくユーモアの気配漂う昭和文士の文章の芸が様々な角度から存分に堪能できる、講談社文芸文庫オリジナル編集の傑作随筆集。


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目次

目次:
1 娼家の灯
2 西湘今昔
3 面影
4 週言

著者に代わって読者へ  川崎浩子
解説  齋藤秀昭
年譜  齋藤秀昭
著書目録  齋藤秀昭

書誌情報

紙版

発売日

2025年09月12日

ISBN

9784065407905

判型

A6

価格

定価:2,420円(本体2,200円)

ページ数

240ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

著者紹介

著: 川崎 長太郎(カワサキ チョウタロウ)

川崎長太郎(1901・11・26~1985・11・6)小説家。神奈川県生まれ。小田原中学を中退して、家業の魚商につく傍ら、同郷の民衆詩人福田正夫に師事、左翼的作品を発表。1920年頃より上京、帰郷を繰り返す。23年、萩原恭次郎、岡本潤らと「赤と黒」創刊。震災後アナーキズム運動から離れ、25年、徳田秋声の推挽で「無題」を発表、文壇デビュー作となる。私小説家をめざすが、不遇な時代が続く。38年、すでに2冊の単行本『路草』『朽花』を刊行していたにも拘らず、永住の覚悟で帰郷、実家の物置小屋に棲み、創作に専念。54年、娼婦たちとの関わりを描いた『抹香町』で長太郎ブームが起きる。62年、結婚。私小説一筋の生涯を貫いた。著書に『裸木』『浮草』『女のいる自画像』『女のいる暦』『忍び草』『幾年月』『淡雪』『夕映え』など多数。

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