錯覚の心理学

錯覚の心理学

サッカクノシンリガク

講談社現代新書

現実には存在しえないものが描かれ、存在しないのに見えてしまうのは、なぜだろうか。視覚のメカニズム、知覚や認知の合理・不合理を考察する。

感覚は間違わないか──なぜ、たかが単純な図形の見かけ上の歪みをそんなに騒ぐのであろうか。これに対する答えの1つは「錯覚は面白い」からだ。われわれの目がこれほど簡単にだまされるということへの好奇心は誰にもある。……われわれの感覚と心の働きの間に2つの考え方が存在していた。1つは、感覚は変わりやすいし不正確なものだ。そこで心の働きが外界の正確な写しを作りだし、歪みを正すというものである。もう1つは、感覚は本来正確で環境の真実の姿をとらえるようにできている。限界があるのは心であり、間違うのも判断能力であるとするものである。錯視を研究することで、この知覚の問題を解決することができるかもしれないという期待があった。──本書より


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目次

●錯視を遊ぶ
 錯視の実験道場
●錯視の大発見時代
 運動の錯視
 幾何学的錯視
●錯視の博物館
 ないものを見せる
 実験室のアナモルフォーズ
 錯視はどこで起きているか
●人工現実感

書誌情報

紙版

発売日

1995年01月17日

ISBN

9784061492332

判型

新書

価格

定価:694円(本体631円)

通巻番号

1233

ページ数

214ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介