
科学革命の歴史構造(上)
カガクカクメイノレキシコウゾウ
- 著: 佐々木 力

科学は連続的に形成・発展するものでなく、理論が急速に変革される〈科学革命〉の時代をもつ。本書ではこの視座から、科学史研究における全体史的方法について説き起こし、17世紀の危機と科学革命の様子や、近代科学形成の主役の1人、ガリレオ・ガリレイらの知的営為の結晶化を歴史的に論じ、更にフランス革命前後の科学思想について論及する。近代科学の発展の歴史構造を説く刮目の書(全2巻)。
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目次
●序論 科学史における全体史的方法
●第1章 17世紀の危機と科学革命
第1節 ヨーロッパ近代科学と非西洋の近代――座標軸の設定
第2節 17世紀ヨーロッパの全般的危機
第3節 ヴェーバー・マートン説再考
第4節 中世アリストテレス主義とルネサンスの革新
第5節 フランスにおける反スコラ的学問構造の形成
第6節 ガリレオにおける自然哲学の数学化のモティーフ
第7節 イングランド革命と実験科学の興隆
●第2章 ガリレオ・ガリレイ――近代技術的学知の射程
第1節 1930年代のガリレオ問題
第2節 ガリレオの“哲学”をめぐる論争
第3節 落体法則の発見過程をめぐる論争
第4節 ガリレオ的学知の構造――数学・実験・自然的世界
第5節 近代科学者の誕生――制度的背景
第6節 ガリレオ死後のガリレオ問題――科学史の課題
●第3章 フランス革命と科学思想
第1節 第2の科学革命
第2節 ジャコバン主義の科学論
第3節 科学の制度化と専門職業化
第4節 決定論的宇宙像の夢と現実
書誌情報
紙版
発売日
1995年10月03日
ISBN
9784061591981
判型
A6
価格
定価:1,265円(本体1,150円)
通巻番号
1198
ページ数
406ページ
シリーズ
講談社学術文庫