
神と仏の間
カミトホトケノアイダ
- 著: 和歌森 太郎

お地蔵さんとは何者なのか?
なぜ幕末に「えゝじゃないか」が大流行したのか?
歴史学+民俗学で、日本人の複雑な宗教意識を読み解く
自然神から祖先信仰へ。神代と記紀神話の成立。仏教と民間信仰の融合。山岳信仰と修験道の展開。古代日本の神概念から神仏習合を経て形成された、この風土に特殊な精神文化の諸相である。お地蔵さんとは何者なのか。なぜ幕末に「えゝじゃないか」が大流行したのか。歴史学に民俗学を重ね合わせて、日本人の複雑な宗教意識を解読する。
日本人の宗教意識や、その実践表現としての宗教儀礼の特質をかえりみようとする場合、神や仏を除いては決して満足なことがわからない。それは神社神道の神、寺院仏教での仏にたいするかかわり方だけではない。それらの埒外にある民間信仰ないし民俗宗教のうちでも、神と仏の両者はともに重みをもってきている。きわめて日常的な生活の中にしみついている神と仏との在り方から、日本人の宗教意識・宗教儀礼の特質をさぐらなければならない。――<本文より>
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目次
総論 日本人における神・仏
1 「神代」の成立――自然神の祖先化
2 神観念とその社会性
3 民間信仰における神・仏・キリスト
各論 民間信仰の中でも神・仏
I 山の中の神・仏
1 山岳信仰の起源と修験道
2 山と鬼
3 柱松と修験道
4 民間信仰における山伏
II 仏教民俗と神信仰
1 仏教行事の民族的基底
2 民間信仰の中の地蔵
結言神・仏交関の時代性と地方性
書誌情報
紙版
発売日
2007年01月12日
ISBN
9784061597983
判型
A6
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
1798
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
底本:1975年、弘文堂より刊行された『神と仏の間 日本人の宗教意識』を底本とした。